▲スーパープレミアムコースご登録でダイジェスト映像がご覧いただけます
【丹下日出夫のPOG手帖】『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 先週のオークスはラヴズオンリーユーが、2006年カワカミプリンセス以来となる無敗でのVとなりました。先行勢大崩れの中、展開に恵まれた面もあるのでは? という声もあるかもしれませんが、いえいえそんなことはありません。余裕を感じさせながら、何段階にも加速するギアを繰り出した直線は、「ホントーに凄い」と丹下氏も絶賛! 秋以降もさらに成長が期待出来そうで、無敗神話はまだまだ続きそうです。(※評価はS〜Eの6段階)
ラヴズオンリーユー(牝・ディープインパクト×ラヴズオンリーミー)
■19日(日):東京11R・優駿牝馬(GI)/芝2400m/2分22秒8
二番仔の全兄ラングレーから、サンデーRのツアーなどで長く見知った血統。ドバイGIを勝ったリアルスティールやプロディガルサンなども見てきたが、兄弟の中で一番似ているのは、ぎょろりとしたお目目の感じも込みで、リアルスティールだろうな。
牝馬に出たぶん、兄たちより体型はすらり。四肢に光が宿っているような、独特な脚元の輝きは血統馬ならでは。セレクト時の、あの印象のまま466キロでデビューを果たし、京都1800mで上がり33秒9の末脚が使えた。
だが、続く白菊賞は14キロ減、452キロに馬体は細化。たまたま居合わせたノーザンの調教主任と、このマイナス体重に、顔をあわせて苦笑い。今日はダメかもしれない…。
1000m通過は58秒4という、息のつけないタフなミドルを、上がり33秒9で外一気。1分33秒6という走破タイムは、一週前に行われた古馬GI・マイルCSと、わずか0秒3差。グランアレグリアに匹敵する、物凄く強い馬なのはわかったが、時計が速すぎるよ。力をつかいすぎたかもしれないなぁ…。
馬体が膨らみ切れず、一冠目の桜花賞には間に合わない。桜花賞同日の忘れな草賞でオークス権利取りを果たし駒を進めたが、456キロにぎりぎり馬体は戻した。内回りコースだけに数字的には地味に映るものの、上がり3Fのレースラップは11秒5-11秒5-12秒0(35秒0)、対する自身のソレは34秒6。最後は流し気味に、後続を3馬身と突き離す楽勝を果たし、際立つ才能を、改めて人々の脳裏に刻み込んだ。さあ、オークスだ。
中間CWで長目7F・97秒6という、2400mを念頭に置いたハードな追い切りもこなした。大事をとって、金曜日に東京競馬場へ移動。パドックでは二重めんこを装着。時折尻尾を振り、よそ見などするが、フケの兆候ではなく、考えてみればリアルスティールの妹だもの。この血統は、軽くふざけているくらいなら、かわいいほうです。
発走直前、二重めんこを脱ぎ捨て、