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個人的には「3強」のユニコーンS

  • 2019年06月14日(金) 18時00分

取捨が難しいあの3頭の扱いは?


 ユニコーンSはどちらかというと堅い重賞。キャリアは浅くてもこの時点でダート界の序列はある程度出来上がっている感があり、兵庫CSとオープン特別の好走馬がここでも好走することが多い。

 今年オープン特別組というと、まずは青竜S組ということになる。デュープロセスは他の先行勢が末を欠いた中で唯一踏みとどまっただけでなく、勝ち切ってしまった。デビューからずっと1400mを使われていて前走が初距離の1600mだったが、問題はなかった。さらなる延長に対応できるかどうかはともかく、1600mにおいては素直に信用してよいだろう。

 デアフルーグも全く差はない。こちらは上がり最速の脚を使っているし、タイム差は無し。この2頭のアトサキは展開ひとつでどのようにも変わってくる。

 個人的にこの2頭だけでなくこの馬も入れた3強だと思っているのがヴァイトブリック。兵庫CSとヒヤシンスS、特に前者は相手が悪かった。今回は負かされた2頭が不在。兵庫CS組は前走連対馬に限れば過去10年[3-1-1-1]。勝ち切れるかどうかはともかく、連対レベルを期待したい。

 NHKマイルC9着ワイドファラオの扱いが難しい。過去10年、前走JRAの重賞(つまり芝)に使われていた馬は[0-0-0-17]。アジアエクスプレスやリエノテソーロ、サマリーズといったダート経験のある馬も大敗している。ワイドファラオの場合ヘニーヒューズ産駒なのでダートをこなしてもおかしくはないが、人気になりすぎるようだと取るメリットが薄いように感じる。

 伏竜Sで5着と敗れたノーヴァレンダ、端午Sを人気薄で勝ったヴァニラアイスの扱いがそれぞれ難しい。オープン特別組は「上位人気で好走」が理想であり、それぞれ片方を満たさないことになる。それでもヒモ馬として候補に残すことは必要か。このレースでは過去10年、前走500万条件組が[1-1-2-48]。それよりはオープン特別組で少し問題がある馬のほうが取りやすい。

 500万条件組で馬券に絡んだ4頭はすべて前走1番人気か2番人気だった馬たち。オンザウェイ以外は今年も条件を満たすが、戦績を見るとどれも支持しにくい。どうしても1頭と言われればダートに転じて3,1着のエルモンストロだが、私は買い目に入れないかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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