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今年も2歳戦を席巻する角川厩舎

  • 2019年07月02日(火) 18時00分

まさに“あっぱれ”な活躍 函館2歳Sに3頭出しも!?


 日本で最初の2歳重賞・栄冠賞が6月27日、門別競馬場で行われた。ゴール前で抜け出したのは牝馬のバブルガムダンサー。管理するのは、北海道の2歳戦線で毎年のように有力馬を送り出す角川秀樹調教師だ。

 ホッカイドウ競馬は4月17日にシーズンがスタートしてまだ2カ月とちょっとが過ぎたばかりだが、ここまでの2歳戦では例年以上に角川厩舎の活躍が顕著だ。

 6月までに行われた門別の2歳戦で、角川厩舎はJRA認定競走(上級認定および栄冠賞も含む)で早くも14勝(ほかに2歳未勝利戦1勝)を挙げている。次いで田中淳司厩舎がJRA認定競走6勝(ほかに2歳未勝利戦2勝)だから、ここまでの2歳戦ではいかに角川厩舎が抜けているかがわかる。まさに“あっぱれ”な活躍だ。

 栄冠賞は、その勝ち馬にJRAの函館2歳S(7月21日)への出走権が与えられるレースのひとつ。同様に函館2歳Sに出走権が与えられるウィナーズチャレンジが6月6日、26日に行われていて、この2戦を勝ったのも、なんと角川厩舎の所属馬だった。

 6月6日のウィナーズチャレンジ(1200m)を勝ったのはプリモジョーカー(牝)で、4月24日のフレッシュチャレンジから連勝。昨年北海道2歳優駿を制したイグナシオドーロの半妹で、父はスズカコーズウェイ。生産・馬主は、角川厩舎とのコンビで毎年のようにホッカイドウ競馬の2歳重賞常連のグランド牧場だ。

 6月26日のウィナーズチャレンジ(1000m)を勝ったのはアザワク(牝)。5月21日のフレッシュチャレンジが2着に7馬身差、そして2戦目のウィナーズチャレンジが8馬身差と、いずれも圧勝。父は新種牡馬カレンブラックヒル、母ヒバリエクスプレスで、半姉に2015年の優駿スプリント(大井)2着のアクティフがいるという血統。

 そして栄冠賞を制したバブルガムダンサー(牝)は、5月9日のフレッシュチャレンジを制し、6月6日のウィナーズチャレンジは前述プリモジョーカーの3着だったが、栄冠賞であらためて素質の高さを見せた。父がパイロ、母は2009年にこの栄冠賞やJpnIIIのエーデルワイス賞などを制したオノユウで、栄冠賞は母仔制覇となった。

 栄冠賞直後の角川調教師の話によると、3頭揃って函館2歳Sに挑戦させたい意向のようだ。

 かつて夏のJRA北海道シリーズでは、ホッカイドウ競馬所属馬があたり前のように活躍していた時期があったが、中央競馬の新馬戦のスタートが早まり、2012年以降、7月実施となった函館2歳Sでは、地方馬は4着が最高という成績。

 角川調教師はこれまで中央で2勝を挙げているが、いずれも夏の北海道シリーズの2歳500万下。函館2歳Sでは2015年タイニーダンサーの4着が最高という成績。3頭で挑むことになりそうな今年こそは期待大だ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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