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やはり頼りになる斤量増組

  • 2019年07月02日(火) 12時00分

過去10年の七夕賞は複勝率40.9%


 ハンデ戦は敢えてハンデの重い馬、前走から斤量が増える馬を買えというのは、私がハンデ重賞の展望を書くたびに強調してきた内容だ。

 七夕賞の過去10年も斤量増組は[4-4-1-13]で複勝率40.9%。斤量据え置き組の16.7%、斤量減組の16.9%組よりも明らかに高い。「今回の単勝オッズ30倍未満」「前走オープンひとケタ着順」など、箸にも棒にもかからない馬を排除したグループに限定して調べても同様の結論になる。

 斤量増組の良い点は、該当馬の少ないところだ。過去10年でも22頭。据え置き組48頭、斤量減組83頭と比べても少なく、そのぶん多くの該当馬からさらに選ぶという手間がはぶける。

 斤量増組を重視してはいけないのは昇級組が強いレースで、昇級組は自然と斤量減組に入りやすく、そこが走っているときは斤量増組の成績が下がる。しかし七夕賞の場合、過去10年の前走条件戦組は[0-0-2-12]。3着2頭はともに人気薄だったので複穴としての魅力はあるが、斤量増組の成績を脅かすグループとはなっていない。

 昨年は斤量減組が人気薄で1、3着したが、あれはかなりレアケースと考えていいだろう。残る1枠は斤量増組だったマイネルサージュが奪っており、過去10年のうち8回は斤量増組が馬券に絡んでいる。

 月曜に発表されたハンデでは、斤量増組に該当するのがクレッシェンドラヴ、ブラックスピネル、ミッキースワローの3頭。人気はミッキースワロー、ブラックスピネル、クレッシェンドラヴの順だろうか。

 この「七夕賞における斤量増組」は上位人気でしっかり馬券に絡む役割を果たすことが多く、複数該当馬がいるときは人気最上位馬が馬券に絡んでいる(最近だと例外は2013年くらい)。そうすると軸にするならミッキースワローか。

 一方で該当馬が複数馬券に絡んだケースは該当馬4頭だった17年くらいでもあり、この3頭に◎◯▲とすべて重いシルシを振ってしまうのではなく◎△△とか◎△無くらいの構えでいき、他の良い要素を持った馬と絡めていきたいところである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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