来年指名してみたい、セレクトセール1歳セッション組(須田鷹雄)
現時点でのフェイバリットホース
セレクトセールが終了した。セレクトセール、特に1歳セッションは後のPOG注目馬について知ることのできる機会でもある。そこで今回は種牡馬別に、「須田が来年指名しようという気マンマン」な1歳取引馬を種牡馬別に挙げてみたい。実際には育成の順調さなどで最終的な赤本のシルシ等とは入れ替わってくるだろうが、あくまで現時点でのフェイバリットホースということで。
◆ディープインパクト
素直に母ミュージカルウェイ(牡)。セール時点で423キロ、4月3日生まれなので十分なサイズに成長するとの期待込みで。ちなみにnetkeibaのプレビュー原稿で触れたのに4000万円で落札されてしまったグランド牧場の母スプリングサンダー(牡)も順調なら穴で推したいと思っている。
◆キングカメハメハ
社台ファームの母マンハッタンセレブ(牡)。セール時点で458キロ。上に大ヒットが出ていないが、この馬が新境地を拓いてくれるのではと……。ノーザンの母ベルワトリング(牡)も馬そのものは同じように良いのだが、価格差を考えるとこちらのほうが「指名して当たったときの手柄感」が出るかなとも考えた。
◆ハーツクライ
産駒最高値でひねりは無いが母シンハディーパ(牡)。現2歳のダイワメジャー牝馬も良いと思っていたが、今回も良い。価格は行き過ぎた感があるが、POG的にはそこは影響しないので。
◆ロードカナロア
産駒が走る前の種付けで、実は端境期というかいったん落ち着く世代のような気がする。高額牡馬より母メジロルルド(牝)のようなタイプを下位で狙いたい。
◆ルーラーシップ
馬だけの好き嫌いで選ぶと母ウインミーティア(牡)なのだが、ルーラー最高値でもあり、少しはひねりたいところ……。悩んだ末に母フローレスダンサー。名牝系はどこかで大爆発するかもという魅力がある。
◆ダイワメジャー
母アーリーアメリカン(牡)。ダイワメジャー産駒らしいタイプで、母がダート短距離馬だったこともありパワー型。ダート向きかもしれないのでPOG期間でどうかは微妙だが、価格と血統価値・馬のデキのバランスも良い1頭だと思う。
◆ドゥラメンテ
母ペルヴィアンリリー(牡)。ただ上とは配合趣旨が違うのでちょっと怖い面もある。ドゥラメンテ産駒は全体的にだいぶ高かったが、それが正解なのかどうか。正解ではないと見ているわけではなく、種牡馬の評価は走ってみないと分からないので、高くなる流れができたときはちょっと冷静に俯瞰して見る必要はあると思う。
◆モーリス
その意味ではモーリスは人気が伸び悩んでいる(といっても十分高いのだが)タイミングだが、これは種牡馬の問題というよりも血統とデキが揃った高額候補馬がいなかったという印象がある。ここはひねらずに母クロノロジスト(牡)でいいのでは。実馬云々以前に、配合と関係なく産駒が走る母なので。
◆エピファネイア
「カレン」が母ラントゥザリード(牡)を買っているのでそれ以外の中からということで……。母ロザリウム(牡)。セール時点で464キロという数字以上にボリューム感があって見映えがする。エピファネイア産駒はもう少し母方にスピード色があったほうが良いように思うので、その点を強く意識するなら全兄が新馬戦で2着に負けたばかりだが母プントバンコ(牝)。
以上、イキって始めたわりに種牡馬内最高値や2番手が多いチョイスになってしまったが、誰の目にも明らかにデキの良い馬は高くなりやすい時代でもあるのだと思う。実際には価格下位の馬が走ってくることもいくらでもあるし、購買者の皆さんにはあくまで外野の余興ということで寛容にご理解いただきたい。