一筋縄ではいかない激戦のスプリント戦
振替休日の12日(月)、盛岡競馬場で行われる『第24回クラスターカップ』。真夏のスプリント重賞を制するのは果たしてどの馬か?! JRA勢、地方勢ともに豪華メンバーが揃いました。
JRA勢5頭の中で最も注目を集めそうなのは、藤田菜七子騎手とのコンビで話題性十分なコパノキッキング。昨年12月、カペラSで重賞初制覇を果たすと、続く根岸Sも4連勝で制覇。1600mのフェブラリーSでは距離延長が不安視されるも5着に健闘。前走・東京スプリントは雨で水が浮く不良馬場の中、スタートで出遅れ。先行勢での決着になりそうな展開の中、直線外から凄い勢いで末脚を伸ばし、キタサンミカヅキの2着まで追い詰めました。
今回JRAからの出走メンバーは、根岸Sでノボバカラ(6着)・ヤマニンアンプリメ(7着)、東京スプリントでヒロシゲゴールド(3着)・アシャカダイキ(10着)と自身が先着している馬たち。ここは負けられない戦いで、藤田菜七子騎手に重賞初制覇をプレゼントしてくれる可能性大です。
藤田菜七子騎手とのコンビで挑むコパノキッキング(写真は19年東京スプリント出走時、撮影:高橋正和)
前走・北海道スプリントCで3馬身差の圧勝を飾ったヤマニンアンプリメ。今年に入ってから6戦3勝【3-2-0-1】と好成績。黒船賞2着、かきつばた記念2着と惜しいレースを経て北海道スプリントCで重賞初制覇。5歳にして能力開花した牝馬が、夏の盛岡を舞台に重賞連勝を目指して登場。今回は53kgで臨めるのも好材料。
重賞連勝を目指すヤマニンアンプリメ(写真は19年黒船賞出走時、撮影:武田明彦)
ヒロシゲゴールドはコパノキッキングと同世代4歳のスプリント重賞戦線の新興勢力。以前は後方からの競馬をしていましたが、昨年12月“逃げ”に戦法を転じ4戦3勝【3-0-1-0】と成績を上げ、オープン入り。重賞初挑戦だった東京スプリントでも逃げて3着に粘りました。前走・天王山S(京都・OP)では先手を奪うまでに手間取り、9着に敗れましたが、ポンとゲートを出て自分の競馬ができれば「そのまま」の可能性も。武豊騎手とのコンビで非常に面白い存在です。
武豊騎手とのコンビで挑むヒロシゲゴールド(写真は19年東京スプリント出走時、撮影:高橋正和)
ノボバカラは4歳時にかきつばた記念、プロキオンS、カペラSと重賞を3勝した実績馬。2017年のマイルチャンピオンシップ南部杯ではコパノリッキーの2着と盛岡競馬場でも好走歴があります。2016年12月のカペラS以来、芝も含む重賞戦線で低迷していましたが、今年5月の栗東S(京都・L)で2年5か月ぶりの勝利を挙げ、続く前走・北海道スプリントCでも3着に健闘。活躍時の走りが再び目覚めた7歳馬にも注目。
盛岡競馬場でも好走歴があるノボバカラ(写真は19年栗東S優勝時、(c)netkeiba.com)
アシャカダイキは近走の成績をみると厳しい印象ですが、52kgの軽量を味方に末脚を活かせる展開になれば、上位への食い込みがあるかもしれません。
メンバー中最軽量の52kgでの出走となるアシャカダイキ(写真は19年東京スプリント出走時、撮影:高橋正和)
前走からホッカイドウ競馬所属となったブルドッグボス。クラスターCは2016年にダノンレジェンドの2着(当時はJRA所属)、2017年に1着(当時は浦和所属)と好相性のレース。休養明け1年1か月ぶりだった5月のさきたま杯は6着でしたが、転厩初戦の前走・門別のレースで1着。復調気配の実績馬が、御神本訓史騎手との初コンビで再びの戴冠を目指します。
御神本訓史騎手との初コンビで再びの戴冠を目指すブルドッグボス(写真は19年さきたま杯出走時、撮影:高橋正和)
ホッカイドウ競馬のメイショウアイアンは昨年6着。その後11月、盛岡のダート1600m戦・絆Cを勝利。前々走・北海道スプリントCでヤマニンアンプリメの2着に健闘。前走・地元門別で勝って、再びダートグレード競走で昨年以上の成績を狙います。
昨年以上の成績を狙うメイショウアイアン(写真は18年絆C優勝時、提供:岩手県競馬組合)
地元岩手のラブバレットはクラスターCに5年連続の出場!2015年ダノンレジェンドの3着、2016年もダノンレジェンドの3着、2017年ブルドッグボスの2着、2018年オウケンビリーヴの3着。届きそうで届かないタイトル奪取に向け、今年も栗駒賞、岩鷲賞と地元重賞を連勝して臨む戦い。地元代表の意地を見せて欲しいと思います。
クラスターCに5年連続の出場となるラブバレット(写真は19年岩鷲賞優勝時、提供:岩手県競馬組合)
【今回のイチオシ馬】
・コパノキッキング
8月9日に22歳の誕生日を迎えたばかりの藤田菜七子騎手。10日にはイギリス・アスコット競馬場で行われたシャーガーカップに参戦し、12日は盛岡競馬場と大忙し。先週4日には新潟3Rで7番人気の馬を勝利に導き、JRA通算70勝目を挙げるなど、実力も伴った活躍を見せています。コパノキッキングは今回の結果次第で、アメリカ・ブリーダーズCスプリントへの挑戦プランもあり、人馬ともにこの夏さらなる飛躍を目指します。
【気になる馬】
・ヤマニンアンプリメ
クラスターCの過去10年で2013年ラブミーチャン、2014年サマリーズ、2018年オウケンビリーヴと牝馬が3勝。昔から“夏は牝馬”という言葉がある通り、勢いもあって楽しみです。
女性ジョッキーによるダートグレード競走制覇なるか?昨年に続いて牝馬による制覇か?もちろん実績ある牡馬たちも黙っていません。一筋縄ではいかない激戦のスプリント戦。猛暑にも負けない熱い戦いが繰り広げられそうです。なお当日は「ヤングジョッキーズシリーズ・トライアルラウンド盛岡」も行われますので、こちらもお見逃しなく!
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