父母両系の真価を受け継いでおり、本格化に期待
日曜の「札幌記念」「北九州記念」が注目の好カードになり、新潟の「NST賞」の組み合わせも悪くない。それに比べ土曜の3場のメインは頭数も少なく、あまり無理はしたくないメンバーになってしまった。でも、絞って参加したい。
新潟の日本海Sには、まだ無名に近いが隠れた素質馬がいる。ここまで4戦3勝の4歳馬バレリオ(父ステイゴールド)は、ずっと休みをはさみながらの出走で万全の状態ではなかった。それを考えれば、この間隔で出走できる今回はきわめて順調。前回など「大丈夫なのか?」と心配の生じる中間の調整だったが、それでも快勝している。今回の休みは7月後半から入念に乗って約3カ月。ゆったり流れるこの頭数の2200mならスムーズに流れに乗れるだろう。
ステイゴールド産駒の活躍馬で、母方の活躍が欧州タイプというのは、フェノーメノ、オーシャンブルーが思い浮かぶくらいで必ずしも多数派ではない。しかし、ステイゴールド自身は海外成績【2-0-0-0】。オルフェーヴル、ナカヤマフェスタで凱旋門賞【0-3-0-1】、ウインブライトの香港GI制覇など、きわめて好走例が多かった。必ずしもスピード系の相手にこだわらないステイゴールドは、バレリオ(母リリウム、3代母ダリア)の牝系に合っている。
バレリオの全姉アイスフォーリスはオークス3着馬。全兄イタリアンホワイトも現2勝馬。3代母ダリア(父ヴェイグリーノーブル)は米国産だが、好走例はキングジョージ?世&クイーンESの2連覇、愛オークスなど欧州のビッグレースが中心で48戦15勝。タフネスぶりは歴史的で、繁殖成績も他の名牝の比ではなかった。バレリオは父母両系の真価を受け継ぎ、パンとすればおそらく今後タフに成長する。ここで格上がりの3勝クラスを突破するようだと、一気の本格化も期待できるだろう。同じ4歳のゴージャスランチと、好仕上がりフェイズベロシティが相手。