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じっくり構えたい、新潟2歳S

  • 2019年08月20日(火) 12時00分

ポイントは4角での位置取り


 新潟2歳Sの行われる新潟芝1600m外回りコースは、658mの直線を持つ。差すタイプの馬にとってはチャンスの大きいコースだ。ただ、差し勢にとっても早仕掛けをしたらもたないので、直線の半ばから仕掛けることになりやすい。結果として、レース中の最速ラップは後ろから2ハロン目(残り400mから200m)に来ることが多い。過去10年でそうならなかったのは2回だけ。2回は前半の2ハロン目とタイだったが、6回は残り400〜200mが最速だった。

 その結果どうなりやすいかというと、逃げ先行馬はもちづらい→しかしラップの速いところで前を捕まえに行った馬ももたない→残り200mでさらに後ろにいた馬が台頭、ということになりやすいように思う。逃げ馬を先行馬が捕まえたと思ったら差し馬が出てきて1、2着とか、先行勢を差し馬が交わしたと思ったらもっと後ろの追い込み馬が出てきて……というイメージだ。早仕掛けを避けようと思っていても、待った先のラップが速すぎて負荷がかかりすぎることが原因かと思う。

 過去10年の4角位置別成績で見てみよう。ただ、超人気薄馬は「単についていけなくて後ろにいる」というケースもあるので、単勝50倍未満だった馬のみを対象にする。ちなみに単勝50倍以上馬は[0-1-0-53]と1頭しか馬券に絡んでいない。

回収率向上大作戦

 このやり方でも、後ろのグループにいくほど「早くにバテてここにいる」という馬の比率が増すので本来は不利なのである。にもかかわらず、後方組はけっこう強い。

 新馬・未勝利は逃げたり好位に行っても地力でなんとかできるが、勝ち上がった馬どうしだと先述した構図にはまって最後交わされるということになりやすい。差しに向いているならじっくり行きたいのがこのレースだし、それができる馬となると、既に前走を差し・追い込みで勝っている馬のほうが狙いやすい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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