【レインボーS】夏の上がり馬にオープン昇格のチャンス
名牝系の枝葉を広げるために
夏の上がり馬に相当するのは、3歳牡馬ヴァンケドミンゴ(2連勝中)、4歳牝馬ダイワメモリー(格上がりで少差3着)、5歳牝馬タガノアスワド(2勝クラス快勝)の3頭だが、中でも魅力大はダイワメモリー(父ノヴェリスト)。
ダイワメモリーは、ダイワスカーレットの6番仔になる。07年の桜花賞、08年の有馬記念などGI4勝を中心に【8-4-0-0】の名牝ダイワスカーレットの産駒は、18年生まれの産駒を含めて8頭。珍しいことにすべて牝馬に産まれている。
まだ母に並ぶような産駒はいないが、それは同期のウオッカや、さらにはブエナビスタ、ジェンティルドンナ(日曜日阪神ローズSのモアナアネラの母)も同じで、名牝の仔がたちまち母と同様に活躍するケースは案外少ない。
優れた牝馬には、例外なく時のトップ種牡馬が配され、やがてその牝駒たちにも著名種牡馬が、さらには次にも、連続して配合される。だから活力、秘める資質が減じない。それによって名牝のファミリーが成立(存続)し、優れた産駒が誕生する可能性はつづいていく。
ダイワスカーレット(祖母スカーレットインク)の牝系はもうすでに日本を代表する大きな活躍ファミリーだが、ダイワスカーレットから次つぎに牝馬が誕生することにより(小牧場では歓迎ではないが)、さらに大きな牝系を築く可能性がある。
とはいいつつも、これまでの産駒は良くて準オープン級の条件馬。ダイワメモリー(現在3勝クラス)はなんとかオープンに出世し、重賞級で活躍したい。でないと母の評価はさすがに少し下降することになりかねない。
前回は格上がりで惜しい3着。苦しい位置から最後まで伸びて上がり33秒1。ダイワスカーレット産駒らしい力強さ、成長がみえた。中山の芝には2戦2勝の良績があり、ブレステイキング、ゴールドギアなどの手強い相手はいても、3勝クラスの定量戦とするとかなりメンバーに恵まれた印象がある。オープン突入のチャンスだろう。
もともと調教は動くが、先週は坂路で楽に51秒7。今週はウッドで64秒2。最後12秒4。これまで以上に鋭く動いた。