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【スプリンターズS追い切り】秋のG1シーズン開幕戦、抜群の末脚で過去最高のデキと評価を得た1頭とは!?

  • 2019年09月25日(水) 18時00分

連続で11秒台の末脚は申し分なし


 今週はいよいよ、秋のG1初戦、スプリンターズS。ここでもこのレースを取り上げていますが、土曜日にはシリウスSが行われます。具体的な予想については、ウマい馬券を参考にしていただければと思っていますが、ここでは25日の追い切りを見終えた感想を。

 モズアトラクションはBコースで全体時計の遅い内容。これだけを見ると、大丈夫かなと思ってしまいますが、ゴール手前50mあたりでの迫力ある伸びは印象的。やっぱり末脚には素晴らしいものがあります。ピオネロは坂路でしたが、最後までまっすぐ駆け上がって、年齢を感じさせない動き。やっぱり、本命選びに迷ってしまいそうなレースです。

モズアトラクション

全体時計が遅いもゴール手前の伸びには目を見張るモズアトラクション


 なお、グリムは白山大賞典へ向かうとのこと。今回のハンデが58キロですから、56キロを選択して、連覇を狙うのは当然かも知れませんね。

【スプリンターズS/ダノンスマッシュ】

 北海道シリーズでは、函館SSで除外というアクシデントもありましたが、それを払拭したキーンランドCが強い勝ちっぷり。スタート直後に先行はせず、ひと呼吸置いたあたりに芯にある強さを感じましたが、今回はそれが栗東坂路でのラップの踏み方にも表れているような気がします。

 というのも、春シーズンは坂路で3F目が11秒台を踏んで、4F目は少し失速気味というラップが多く見られました。しかし今回は1週前追い切りが3F目12.5秒、4F目12.0秒。そして、最終追いは12.0秒を2F続けることができました。それだけ前半に脚をためて走ることができている証拠だと思いますから、初めての中山競馬場でもいつも通りの末脚を使えると思います。

ダノンスマッシュ

中山競馬場でもいつも通りの末脚が期待できそうなダノンスマッシュ(9月24日撮影)


【スプリンターズS/モズスーパーフレア】

 高松宮記念は中2週のローテーションが応えて惨敗。それを糧に、秋は余裕を持ったローテーションでのG1出走となりました。ただ、北九州記念の大幅馬体重増は計算外。実は過去に小倉競馬場に遠征した時(萌黄賞)が+16キロという馬体重になったので、小倉だと太る、なんてことも考えられます。ちなみに今回も馬体はボリューム感はありますが、太目には見えません。

 今回は1週前追い切りが案外な印象でしたが、最終追い切りは4F目が11.7秒。その分、2F時計も24秒を切っており、終い重点ならここまで動けるというところを見せつけました。枠の並びは気になりますが、今回は是が非でもハナという競馬になるはず。その前半が自分のリズムで運ぶことができるのか。それ次第で追い切りのように走れるかそうでないかが決まります。

モズスーパーフレア

最終追い切りでは力があるところを見せたモズスーパーフレア(9月24日撮影)


【スプリンターズS/ミスターメロディ】

 前走は本当に案外な結果。調教過程は決して悪くなかったと思えるだけに、今まで勝ち鞍のない右回りが気になってしまうところ。今回は初めての中2週のローテーションですから、気になることはありますが、斤量は1キロ減るので条件的には相殺されるところもあります。

 最終追い切りは芝馬場。Cコースにハローが入った時間だったので、1頭で気分よく走ると思われましたが、同じ時間に他厩舎の馬がポリトラックのキャンター。これを気にしたのか、なかなかスムーズにキャンターといきません。調教VTRなどで確認できる箇所はスムーズに走っていると思うので、分からないと思いますが、3コーナーまでは頭を上げるシーンもありました。この一連の仕草は少し気になるところです。

ミスターメロディ

他厩舎の馬と同じ時間でのキャンターに、気にするところを見せたミスターメロディ


【スプリンターズS/ディアンドル】

 前走が初めての古馬混合戦。しかも18頭立てということで、52キロの軽量でも好走は簡単な状況ではなかったはず。さらにゲートでは少しゴソッとしたところでスタートを切られたので、やや出負け状態。それでもスムーズに先行するあたりはこの距離を使い続けていることによる経験値のような気がします。

 調教でもテンから行きたがるところがありますが、それをしっかり抑えて、最後に末脚を伸ばすという内容を徹底しています。9月11日に坂路で3F目から11.8秒を続けてましたが、これは1F目が17.1秒でのもの。今回は15秒台で入りながら、3F目11.9秒、4F目11.7秒。申し分ない末脚ですから、状態に関してはデビュー以来最高ということでよいでしょう。

ディアンドル

デビュー以来最高のデキにあるディアンドル(9月24日撮影)


【スプリンターズS/ファンタジスト】

 北九州記念の凡走に疑問を抱いた方もいると思いますが、春はクラシック路線を歩んでいた馬。NHKマイルCの後とはいえ、やはり久しぶりにテンから急かされる舞台だとあのレースも仕方ないところでしょう。ここでスプリンターとしてのスイッチが入って、セントウルSの好走があると思います。

 今回は中2週というローテーションだけに、どんな調整をしてくるか注目でしたが、1週前も最終追い切りも手抜きなし。特に最終追いはテンから飛ばして、ゴールまでしっかりと加速してくるラップでした。この内容を見れば、同じ中2でも前走よりは明らかに攻め強化されていると思います。

◆次走要注意

・9/22 2歳新馬【タガノハイライト】(4人4着)

 新馬戦ということもあって、1400mなのに道中が緩むという変な流れ。内で動きが自由でなかったことが仇になって、最後は伸びているけど4着という結果になりました。
 やっぱり走ることは分かりましたし、次はもっとスムーズなレースになるはずです。

[メモ登録用コメント] [ダート1400]最終追い切り坂路4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【ポタジェ】
 最終追い切りは坂路での併せ馬でしたが、ゴール直前は相手に前へ出られそうな勢い。しかし、相手が来るとこちらもちょっと本気を出して抜かせません。このあたりが血統なのか、さすがの動きでした。これはレースでもしっかり走ってくれるタイプです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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