それぞれ思惑が違っていても、負けられない戦いに
10月3日(木)大井競馬場で行われるRoad to JBC『第16回レディスプレリュード(JpnII)』。2011年、JBCレディスクラシックが創設されたことに伴い、「TCKディスタフ」から「レディスプレリュード」に生まれ変わって9年目。この後に続く今年のJBCレディスクラシックは浦和の1400mが舞台とあって、今回とは全く違うレースとなりそう。実力拮抗のメンバーが揃いましたが、大井の1800mで結果を出しておきたい馬、賞金を加算しておきたい馬、目標はまだ先の馬などなど思惑が入り乱れ、例年以上に難解な戦いになりそうです。
そんな中、注目したのは本格的にダート転向後、好走を続けるラビットラン。もともとダートで新馬勝ちしましたが、しばらく芝のレースを使い、ローズSを制している芝の重賞ウイナー。GI・秋華賞にも出走し4着と掲示板を確保しました。昨年夏、ダートへ矛先を向けるとスパーキングレディーCでいきなり3着。続くブリーダーズゴールドCを制覇しダートグレード競走初制覇。京都で行われた昨年のJBCレディスクラシックでは1番人気に推され、アンジュデジールのアタマ差2着。前走・TCK女王盃3着とすべて馬券圏内で、このメンバーの中でも実力上位。底を見せていない素質馬が8か月の休養を経て、この秋ここから始動。昨年取り逃したJpnIタイトルを奪取するためにも、初戦から好レースを期待。ミルコ・デムーロ騎手とともに頂点を目指します。
ダート転向後も好走を続け、メンバーの中でも実力上位のラビットラン(写真は18年JBCレディスクラシック出走時(右)、(c)netkeiba.com)
マドラスチェックはキャリア7戦3勝の3歳馬で、うちダートはまだ4戦【2-1-0-1】のみ。牡馬相手に2連勝したのち関東オークス2着。前走・スパーキングレディーCは初の古馬相手でキャリアの差が出て4着に敗れましたが、夏の間の成長が見込まれ、改めて狙いたい存在。大井競馬場は初コースですが、森泰斗騎手という心強い味方を鞍上に覚醒する可能性も。
キャリア7戦3勝の3歳馬マドラスチェックは夏の間の成長が見込まれ、改めて狙いたい存在である(写真は19年スパーキングレディーC出走時、撮影:高橋正和)
昨年の覇者・プリンシアコメータ。他にクイーン賞(2017年)、エンプレス杯(2019年)も制しているダートグレード競走3勝馬。さらに一昨年大井で行われたJBCレディスクラシックではララベルと激闘を演じ2着。ブリーダーズゴールドCでも2年連続2着(2018年、2019年)と好成績。スムーズに先行すれば大きく崩れることがない実力馬ですが、長めの距離を使い続けているため1400mは未経験。ゆえにこの馬にとっては「ここが本番」と言っても過言ではありません。昨年はジョアン・モレイラ騎手で勝利し、今年は7戦3勝【3-3-0-1】と相性の良い岩田康誠騎手で連覇を狙います。
昨年の覇者でダートグレード競走3勝馬のプリンシアコメータ。相性の良い岩田康誠騎手とのコンビで連覇を狙う(写真は18年レディスプレリュード優勝時、撮影:高橋正和)
アンデスクイーンは前走・ブリーダーズゴールドCで重賞初制覇を果たしました。骨太の古馬たちと戦い、一歩一歩積み重ねてきた勝利が実を結びました。去年のJBCレディスクラシックでも0.6秒差の5着と差のない競馬をしていて、この馬も秋の主役候補。ダート1400mでも(2、3歳時ですが)5戦1勝【1-3-0-1】と高連対率で、この後の本番と併せて目が離せません。
前走ブリーダーズゴールドCで重賞初制覇を果たし、秋の主役候補ともいえるアンデスクイーン(写真は19年ブリーダーズゴールドC優勝時、撮影:田中哲実)
ファッショニスタは前走・スパーキングレディーCで重賞初制覇。昨年のJBCレディスクラシックでも出遅れながらも上位に追い上げ3着というキャリアの持ち主。ただし出走レースは1400mに集中。12戦5勝【5-6-0-1】連対率91.7%と素晴らしい数字で、次の浦和で主役になりそうな存在です。
前走のスパーキングレディーCで重賞初制覇を果たし、これまでも安定した成績を残しているファッショニスタ(写真は19年スパーキングレディーC優勝時、撮影:高橋正和)
浦和のミッシングリンクは今年6月、JRAから移籍初戦・牡馬相手の京成盃グランドマイラーズでベンテンコゾウの3着。前走・スパーキングレディーCは6着でしたが、JRA時代には昨年のTCK女王盃を制している重賞ウイナー。大きな力差は無いのでは。
昨年のTCK女王盃を制している重賞ウイナーのミッシングリンクも、他馬と大きな力差は無いだろう(写真は18年TCK女王盃優勝時、写真提供:東京シティ競馬)
大井のクレイジーアクセルは牡馬相手に昨年の南関東の重賞・東京湾Cを制したのち、関東オークス3着。ここ2走は『グランダムジャパン・古馬シーズン』の対象レースである門別のノースクイーンC、水沢のビューチフルドリーマーCで重賞連勝中。“逃げ”に徹するその姿は清々しく、今回も粘って「あっ」と言わせるシーンがあるかもしれません。
牡馬相手でも結果を残しているクレイジーアクセルは、今回も逃げ粘りを見せられるか(写真は19年ビューチフルドリーマーC優勝時、写真提供:岩手県競馬組合)
他に、昨年のクイーン賞3着・船橋のオルキスリアン。スパーキングレディーCでファッショニスタの3着・大井のローレライ。昨年このレースで13番人気3着・北海道のアルティマウェポン。前走2勝クラスのポプラ特別(札幌)を勝ち、大井に転入初戦のサラーブも参戦。
昨年のクイーン賞3着の実績を持つ船橋のオルキスリアン(写真は18年クイーン賞出走時、撮影:高橋正和)
今年のスパーキングレディーCで人気薄ながら3着と好走をみせたローレライ(写真は19年スパーキングレディーC出走時、撮影:高橋正和)
昨年のレディスプレリュードで13番人気3着となった北海道のアルティマウェポン(写真は18年レディスプレリュード出走時、撮影:高橋正和)
前走のポプラ特別を優勝し、今回が大井に転入初戦のサラーブ(写真は19年ポプラ特別優勝時、(c)netkeiba.com)
【今回のイチオシ馬】
・ラビットラン
役者が揃っている5歳勢の中でも最も未知の可能性を秘めている素質馬。ここだけでなく次も狙いたい。
【気になる馬】
・クレイジーアクセル
レディスプレリュードは『グランダムジャパン・古馬シーズン』の最終戦。現在30ポイントを獲得している大井のクレイジーアクセルがここを走れば首位確定。今回も先頭でレースを引っ張るであろう、しぶとい“逃げ”にご注目ください!
このレースは8年連続JRA勢の勝利が続いていますが、昨年は1着プリンシアコメータ・2着大井のブランシェクール・3着北海道のアルティマウェポンと2、3着に地方勢が来る大激戦。2番人気・6番人気・13番人気の順で3連単143万1700円という波乱の結果となりました。今年も好メンバーが揃ったJRA勢5頭に加えて、地方勢もダートグレード競走で上位に来たことがある経験馬が多数参戦。有力馬が入り乱れ、再び波乱の結果が待っているかもしれません。
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