3連勝で勢いに乗るサトノダムゼル(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
■秋華賞(G1・京都芝2000m)
逃げ候補
コントラチェック
メイショウショウブ
展開
上記2頭が主に逃げる可能性があるものの、コントラチェックが先手を取りそう。メイショウショウブは前走距離を理由に控えた競馬をしており、さらに200mの距離延長だと先手を取る可能性は著しく低いだろう。したがって、そのような状況ならば、余程逃げ馬が暴走しない限りはスローペース濃厚の競馬になるはずだ。
先週のレースを見ても思った以上の高速馬場ではなく、やや時計が早めの部類に入る馬場状態。さらに台風の影響で雨が降れば例年以上に時計が掛かるレースとなるだろう。近5年で見ると良馬場ならば56秒台と57秒台が1回ずつで58秒台が2回。重馬場だと2分を要しているが、今年は1000m通過が60秒台で勝ち時計が2分フラット付近よりやや遅めの時計も十分にあり得そうである。
1.ダノンファンタジー
展開◯ 馬場◯ コース◯
前走はこの馬らしい安定感のある競馬が最大限に活きるレースで、阪神外回りのコースを完全に手の内に入れる川田騎手の見事な騎乗であった。京都内回りも自在性のある競馬ならばカバー可能で、抜けた強さはないものの崩れない力はピカイチである。やはり対抗もしくは3〜4番手までには必ず取り上げたいところで、雨の影響を受けた馬場もこなせるはずだ。
総合評価
B
2.クロノジェネシス
展開◯ 馬場◎ コース◯
オークスは最後にバタッと止まるレースも、この馬らしい競馬で価値のある3着であった。休み明けぶっつけ本番が一番の不安要素で、距離やコース、馬場などは正直ベストに近い条件と言っても良いだろう。決して追い切りの動きが悪い訳ではないが、やはり1走使ってる馬と比較するとやや評価を落とさざる得ないのでこの評価までとしたい。
総合評価
C
3.コントラチェック
展開◎ 馬場◯ コース◯
前走は自分の形に持ち込めなかった上に速い流れが響く敗戦で、力負けでの大敗ではない。今回は楽に先手を取れそうなメンバー構成で、距離短縮で内回りコースならば良い勝負出来るイメージも湧く。雨に関しても問題なさそうで、フラワーCのようにスローに落としながらやや離した逃げが出来れば脅威的な1頭と言えるだろう。
総合評価
B
4.カレンブーケドール
展開◯ 馬場◯ コース◯
前走は4角で後ろを待つ競馬、やや折り合いを欠くレースで休み明けを考えると仕方のない面もある敗戦であった。また、オークスでの走りを見ても一線級のメンツにも通用可能で、中山での走りを見る限りでは京都内回りへの対応も問題なさそうである。京都に乗り慣れてない騎手騎乗がやや不安要素も、2,3着は十分に圏内の1頭である。
総合評価
C
5.エスポワール
展開◯ 馬場◎ コース◯
前走はメンバーに恵まれた部分もあったが、重馬場を物ともしない競馬は素直に評価できるレースであった。今年の1月にプリンシパルSで2着のエングレーバーと互角以上の走りを見せており、条件も問題ないここは期待できるはず。ただし、間隔が開いてのレースとなるので、やはりG1では相手候補の1頭までの評価が妥当と言えるだろう。
総合評価
C
6.パッシングスルー
展開△ 馬場◯ コース◯
前走は外枠など条件が全て揃っていた印象で、この馬の良さが最大限に活きる競馬であった。ただし、フローラSやシンザン記念の走りを見てもG1で勝つにはワンパンチ足りないので、雨はプラスも強調ポイントに欠ける1頭と言える。場合によっては無印も検討したいところで、同組ならばカレンブーケドールを上に取りたい。
総合評価
D
☆危険な人気馬☆
1.ビーチサンバ
展開△ 馬場◯ コース△
3〜5番人気辺りが予想される同馬であるが、前走は外枠がプラスに働き結果的に2番手から運ぶ最高の展開となった。それでも後ろに差されてしまったように、距離延長と今回は前に行けないことを考えれば評価を落とす他ない。基本的には掲示板〜入着に留まりそうなので、札幌記念のワグネリアン同様に危険な人気馬として取り上げたい。
総合評価
D
狙える穴馬
1.サトノダムゼル
展開◎ 馬場◯ コース◯
3連勝で勢いに乗るこの馬を穴馬として取り上げたい。デビュー3走の走りを見ても坂のある中山よりも京都などの方が条件としてはベストで、内回りで自在性のある競馬も魅力的である。さらに、近2走乗り慣れた騎手ならば前走のようなレースも可能。コントラチェックを早目に潰しに行くような積極的な競馬が出来れば、底を見せていない点を踏まえてもあっと言わせる場面がありそうだ。
総合評価
B
安定感で取るとすればダノンファンタジー軸もアリであるが、やはり台風の影響で重馬場の可能性もある以上は穴目の馬から攻めたい気持ちも大いにある。ただし、穴で狙える馬も数に限りがある以上、ビーチサンバやパッシングスルーの評価を大幅に落として、狙えるサトノダムゼルやエスポワールなど底を見せていない馬に注目したいところである。もちろん、土曜日の馬場や当日の天候にも注視する必要があるので、ギリギリまで考慮した上で最終的な予想を組み立てたい。雨で難解の今年の秋華賞は攻めた予想で勝負するつもりなので、ぜひ枠順確定後の最終決断に期待して欲しい。
■プロフィール
倉本匠馬(くらもとたくま)
インターネットメディア(ブログ・Twitter)などで競馬予想家アドマイヤ君として自らの予想術を駆使して、多数の読者・フォロワーを集める。無料・有料メールマガジンでの予想配信も行う。
【経歴】
2013年 マイナビ主催の競馬予想登竜門で優勝し、競馬予想GP公認プロとしてデビュー
2014年 倉本匠馬に改名。重賞レースで年間約140%の回収率をたたき出す
2015年 ほぼ4年に渡り競馬予想GPにて中央競馬予想家2位を継続。(2017年現在も)また、重賞レースで年間116.6%、G1レースでは232%の回収率を計上。
2016年 e-SHINBUNにおいて『fourmarks“新星競馬予想家の多角分析”倉本匠馬produce』の新聞販売開始。
【予想を主としてるファクター】
展開予想
→Vポジションという理論を使い、そのレースの中で最も恵まれるポジションを割り出し、勝ち馬を見つけ出す。
Vポジションとは
『その競馬場のコース形態や距離、当日の馬場状態、メンバーなどを考慮した上で、勝つ可能性が高い位置取りのこと』です。各レースの逃げ馬から最後方までの馬の並びやペースなどを予測し、そこから一番有利に働く馬のポジションを導き出し、勝ち馬を見つけ出す理論。