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【天皇賞・秋】「アーモンドアイvsサートゥルナーリア! 果たして強いのはどっちだ!?」記者座談会(中編)

  • 2019年10月23日(水) 18時00分
秋天座談会

スポニチ・秋田記者イチオシのアーモンドアイ。前走は発走直後の不利が響いて敗れてしまったが、ここでも最有力候補であることに疑いはない。(撮影:高橋正和)


3名の日刊紙の競馬記者たちによる天皇賞・秋の座談会。前回はロードカナロア産駒の「2強」にスポットを当てたが、今回はその両頭に抗する力を秘めた“対抗勢力”に注目していく。波乱決着の可能性はあるのだろうか?(取材・文・構成=緒方きしん)


波乱か、順当か。天皇賞・秋のカギを握るのはペース



スポーツニッポン・秋田麻由子(以下、秋田) 今年はアーモンドアイとサートゥルナーリアによるワンツー決着もあるかなと思っているんだけど、どうかな?

スポーツ報知・坂本達洋(以下、坂本) 1着アーモンドアイは堅いと予想しています。今回のレース、有力馬・実力馬が揃って先行馬なんですよね。それなりに厳しいペースになって、実力が試されるレースになるでしょう。だからこそ、弱点も少なくて実力も折り紙つきのアーモンドアイが順当に勝利するのではと読んでいます。

スポーツニッポン・高木翔平(以下、高木) 僕はサートゥルナーリア推しですが、やはり実力通りの決着になると思います。各馬力を出し切るレース展開になりそうです。

秋田 確かにペースは厳しくなるかもね。まずは、アエロリットが引っ張るかな?

坂本 でしょうね。スティッフェリオも前に行きたい馬ですが、前走はあまりにもうまくレースが運べたと思っています。やはり、ここぞという場所ではアエロリットがハナを主張していくはずです。

秋田 先行したい馬にとっては、どこで競馬をするかは悩ましいのかも。サートゥルナーリアも、コンビを組むスミヨン騎手の性格からして、積極的な競馬をしていくんじゃないかな。それをルメール騎手とアーモンドアイがマークするレース展開になる気がしている。

坂本 メンバーがいいだけに、穴馬を探しにくいレースかもしれない…。どの馬が来ても「来て納得!」って思っちゃいそうです(笑)。

秋田 土砂降りだったらどうかな? アーモンドアイはシンザン記念で強い勝ち方していたから、問題はないだろうけど。重馬場だと馬が変わるぞ! みたいな馬もとくに見当たらないし、やはりアーモンドアイが盤石なのかなぁ。

坂本 かもしれません。ただ2着、3着馬は検討の余地が大いにあると思いますよ。

秋天座談会

神戸新聞杯を圧勝して、ここに挑んできたサートゥルナーリア。前走は雨だっただけに、こちらも渋った馬場は気にしないタイプかも!?



ウインブライトは上積み十分! 反撃の狼煙をあげるか!?



坂本 注目しているのは香港GI馬、ウインブライトです。

高木 ウインブライトですか!? 前走(オールカマー9着)は、かなり負けたという印象ですけど。それに中山・香港で強いイメージはあっても、それ以外の競馬場となると…。

坂本 確かにウインブライトは中山実績のある馬で、中山専用機のイメージもある馬だと思います。しかし、じつは東京でも悪くない走りをしているんです。

高木 そうなんですか!? 東京競馬場では結構苦戦しているものだと…。

坂本 確かに負けてはいます。でも、内容は悲観するようなものではないです。例えば一昨年の毎日王冠は10着でしたが、タイム的には勝ち馬リアルスティールと0.6秒差と僅差で、陣営としては手応えあるレースだったようです。

高木 なるほど、着順ほどレースぶりは悪くない、と。

坂本 また、前走は明らかに調整不足でした。この夏に美浦のウッドコースが閉鎖されていたのでいつも通りの調整パターンができていませんでしたし、陣営的にも追い切りの本数が足りないと感じている部分もあったようです。

秋田 見るからに体調が良くなかったこともあったね。それぞれ敗北に理由はつけられるということか。2200mはちょっと長いし、マイルはちょっと短いという馬。今回は確かに適条件なのかもしれないね。

坂本 ステイゴールド産駒らしく、長く良い脚が使えるのも魅力です。持久力も兼ね備えた勝負になったら悪くない。香港では東京のように広いコースで勝っていますし。かなり魅力的な1頭です。秋冬に3戦するなら、最初から目一杯やるというのは難しいですから、前走の敗北は割り切りたいです。

秋田 前走は牧場で全然やらずにきてたからね。ただ…3戦目くらいで良くなるようなイメージのある馬、というのも事実ではある(笑)。今回はメンバーが強いからね。

高木 末脚勝負みたいなレースになると、ちょっと難しいかもしれません。強いけど、切れ味勝負というイメージはない馬です。

坂本 アエロリットがペースを作るから、単純な切れ味決着の競馬にはならないんじゃないでしょうか?

秋田 ただ、このクラスにもなると、ハイペースでも末脚をしっかり使うからなぁ。評価は分かれるところだね。

秋天座談会

今春、香港のQE2Cを制し、念願のタイトルを獲得したウインブライト。中山で好成績が際立っているが、意外に東京でも侮れない!?(撮影:森内智也)



遂に本格化!? 陣営が期待していた5歳秋を迎えたスワーヴリチャード



秋田 私が注目しているのはスワーヴリチャード。アーモンドアイ、サートゥルナーリアのワンツーに食い下がるのは、この馬なんじゃないかと見込んでる。左回りが得意っていうのは有名になってしまっているから、馬券的な旨味は少ないのかもしれないけど…。

坂本 なかなか大崩れしないのが魅力の馬ですね。ドバイは3着だったけど、陣営は復調に向けて手応えがあったようです。

高木 スワーヴリチャードって、意外にもまだ5歳なんですよね。たくさんGIに出ているからか、結構ベテランというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?

秋田 陣営は、クラシックシーズンや4歳の時から「まだまだこれからの馬」と言っていた馬なんだよね。ダービーで2着、4歳春には大阪杯制覇と実績を出していたにもかかわらず。

高木 今年の春に庄野先生に取材した際は「スワーヴリチャードはこの秋1番強くなる」「集大成の秋にする」と豪語してらっしゃいました。見慣れたからといって油断せず、しっかりと「5歳という充実期にある馬」という認識を持っておかないと、ちょっと怖い1頭です。

坂本 このクラスになると、どの馬が自分の土俵に持ち込むか? という点で結果も変わってきます。長く良い脚を使う馬に有利な展開になれば、上位進出もあると思いますよ!

秋田 スワーヴリチャードは、当日の馬体重も気にしたいですね。輸送もありますから、調教後の馬体重から当日どれくらい減っているかは注目したい。あまり落差が少ないほうが良いタイプ。個人的なベスト馬体重は516キロだと思う。ここは、ファンの皆さんにも気にしてほしいかな。


 ここまで「2強」に迫る可能性を秘めた馬をクローズアップしてきたものの、今年の秋天はまだ有力馬は多数だけに、一筋縄ではいかない。最終回は各馬の状態や評判について、深掘りしていく。(次回は24日18時公開予定)

秋天座談会

すでにGIを勝っているにもかかわらず、「本格化は5歳の秋」と言い続けてきたスワーヴリチャード陣営。機は熟しただけに、一泡吹かせたいところ。


競馬史に刻まれる対決、アーモンドアイvsサートゥルナーリア。二強の取捨に必要な3つのカギとは?

高回収率をたたき出す馬券のプロたちは、どのような視点で重賞レースにアプローチをしているのか。ときに冷静に、ときに大胆に直球勝負で攻める予想家たちの熱き見解は必見。 関連サイト:ウマい馬券

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