2018年は中団から差し切りを決めたパフォーマプロミスが勝利(撮影:下野雄規)
「ウマい馬券」で4年連続プラス収支(回収率100%超)を叩き出す馬場虎太郎氏が、トラックバイアスをもとに馬場を分析。その結果をベースに週末のレース傾向を展望し、主に日曜メインレースの「注目の1頭」を紹介していく。
今開催の東京芝コースは走りやすい馬場に
今秋の東京開催はここまで全ての週において、金曜以降にまとまった雨が降っている。
先週の東京もJRA発表によると金曜の降水量は約93mm。馬場が悪化することは免れないほどの多量の雨量だった。
しかし、土曜朝のJRA発表馬場発表は「稍重」。私が独自に判定している馬場コンディションでは1Rの時点から「稍軽い」状態。
9日間の開催が雨の影響を受けているにもかかわらず、芝の見た目も、ここまでの競馬開催を消化したとは思えないほど良い。芝の傷みがほとんどみられないように見える。台風などの厳しい気候状況でも「馬が走りやすい馬場」を維持できる東京芝コースの馬場管理技術は素晴らしい。
私もこの馬場の作りを読んで、天皇賞秋も的中。当コラムで推奨したダノンプレミアムも2着に走った。
今開催の東京芝は雨が降っても乾きが早いことはもちろん、多少湿っていても路盤はグリップが利く。走りやすい馬場のため、勝ち時計も速くなる。
今秋の東京では最も軽い馬場に
今週は水曜から日曜にかけての天気予報も良好。この秋では初めて雨の影響をうけない乾いた馬場での開催となりそう。これまでよりもさらに軽い馬場コンディションになる。先週からBコースを使用していることも相まって先行馬が恵まれる馬場になるのではないか。
先行馬が恵まれる馬場で注目したいのはパリンジェネシス。
前走京都大賞典はトラックバイアス「内有利・前有利」。先行、内を通る馬が極端に恵まれて、3連単は181万馬券の大波乱となったレースだ。
パリンジェネシスは本来は先行馬。前走の京都大賞典も先行馬有利の馬場になると予想してコラムでも推奨した。実際に先行馬のドレッドノータス、ダンビュライトが恵まれて単勝は90.7倍、馬連537.2倍の大波乱。
誤算だったのは、パリンジェネシスの位置取り。スタートがうまくいかず道中も後方の外を通る形だった。パリンジェネシスはスタートを失敗して先行できないと能力を全く発揮できない馬。先行できない馬には不利な馬場でもあり、惨敗した。
前々走の目黒記念はダービーで人気薄のロジャーバローズが勝ったことで、多くの騎手がオーバーペースで走り先行馬が不利な展開になってしまった。先行したパリンジェネシスは展開の不利で惨敗。
パリンジェネシスの近2走は出遅れと展開で力を出せず惨敗してしまった。しかし先行して極端な展開の不利さえ受けなければ、重賞でも巻き返す力のある馬。人気はますます落ちるのでその分配当妙味は上がる。