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【エリザベス女王杯】オークス・秋華賞馬を古馬が迎え撃つ

  • 2019年11月08日(金) 18時00分

距離延長が実はプラスだったシナリオに賭ける


 今年のエリザベス女王杯は3歳馬が人気の形で行われそう。古馬がどう迎え撃つか興味深い。

 ラヴズオンリーユーはオークス以来の一戦。消耗戦の色彩が強かったオークスを強靭な差し脚で制したあたり、スタミナが豊富だし強さの絶対値もかなり高い。やはり問題はデキで、秋華賞を使えなかったところからどこまで仕上がっているか。1週前追い切りがかなりの内容だったが直前は控えめ、それでいて木曜の馬体重が480キロ(デビュー時466キロ、オークス時456キロ)。目標レースにまっすぐ来たときの休み明けはもはや心配ない時代だし馬体増も秋華賞時のクロノジェネシスのようなこともあるが、まずは当日の様子を見たいところだ。

 無難な軸ということではクロノジェネシスのほうだろう。オークスはやや距離が長く展開もしんどかったと思うが、それでも上位に踏みとどまったあたり能力が高い。平均ペースでも上がり勝負でもそれなりに対応できるのが強みで、しかもこちらは使われているので安心感がある。

 古馬ではスカーレットカラーが人気になりそう。近況とにかく好調だし、かつて全く機能しなかった府中牝馬S組も、GIIになってからは本番で好走するようになってきている。速い上がりを使えるので京都外回りも良いだろうが、スローになりすぎると他馬も上がりをまとめられるぶん相対的な有利さがなくなる可能性はある。それ以外のパターンで、単純な差し遅れもリスクだろう。

 ラッキーライラックはスミヨンで内枠。他の有力馬に差しタイプが多いので、ここは強気に前へ行って早めに抜け出すような競馬を期待したいところ。京都外回りならばそれほど苦労せずに進路も見つけられるだろう。結果が出ていないイメージがあるが今年4戦でもっとも着差をつけられたのが前走の0.3秒。差はない。

 クロコスミアも位置取りに活路を見出したい馬。勝ってはいないものの過去2回と同じ競馬をするしかないだろう。藤岡佑介騎手はラチづたいの競馬が上手い騎手だし、枠も内寄り。ハナでも2番手でもいいので、スタートしてすぐしかるべき位置に行きたい。

 ウラヌスチャームは古馬相手のGIIから来た点とマーフィーが強調材料。脚質的にはラヴズやスカーレットとセットになりそうなタイプか。この枠・この相手からマーフィーがどのような策を取るのか興味深い。

 センテリュオは京都は良さそうだが、ルメール騎乗だけである程度売れてしまう点が馬券的には微妙。ならば枠は外だが、サラキアの距離延長が実はプラスだったというシナリオに賭けてみるほうが良いような気もする。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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