▲8年ぶりに来日! ランフランコ・デットーリの歴史を解説(撮影:高橋正和)
今年8年ぶりの来日が決定したランフランコ・デットーリ騎手。ファンを公言する現役ジョッキーも多く、日本の競馬ファンの間でも「世界No.1ジョッキーがやって来る!」という認識はあるものの、彼は一体何がスゴいのか? 海外競馬事情をよく知る斎藤修氏が“世界No.1”と言われる理由を過去の経歴や名レースをもとに解説する。(文=斎藤修)
世界若手選抜で現ベテラン騎手勢を圧倒
ランフランコ・デットーリが日本でその名を知られるようになったのは、1992年から始まったヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップだろう(96年の第5回まで3月の中山開催で実施された)。当時はまだインターネットも発達しておらず、海外競馬の情報は雑誌などで大レースの結果のみが伝えられる程度。世界で活躍する若手騎手の対抗戦といっても、日本の競馬ファンにはほとんど知られていない騎手ばかりだった。
土・日2戦ずつ計4戦で争われるそのシリーズの第1回で、デットーリは5着、2着(同着)、2着、1着という成績で優勝したが、強烈な印象を残したのは93年の第2回。全4戦で3勝を挙げる圧倒的な成績で2年連続優勝を果たした。その中で、今でも覚えている光景がある。2勝目となった第2戦(中山芝1800m)