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【兵庫ジュニアグランプリ】メイショウテンスイなどJRAの2勝馬が有力

  • 2019年11月26日(火) 18時00分

若駒たちの登竜門となる戦い


 11月27日(水)、園田競馬場で行われる2歳重賞『第21回兵庫ジュニアグランプリ(1400m)』。出走歴が少ない面々の戦いで力の比較は難しいですが、今年も年末の全日本2歳優駿や来年のダート戦線を見据えた好メンバーが揃いました。JRA5頭、北海道2頭、地元兵庫5頭の12頭立て。昨年はワンツースリーを決めたJRA勢は今回ダート2勝馬が3頭出走。それではさっそくご紹介しましょう。

 デビューから2戦2勝のメイショウテンスイ。前走・オキザリス賞(東京・2歳1勝クラス・ダート1400m)では直線で逃げた馬を交わし先頭に立つと、後続に抜かせることなくそのまま勝利。オキザリス賞を勝ってここへという臨戦過程は昨年の勝ち馬デルマルーヴルと同じ。ここまで東京で2勝を挙げており、初の右回り・小回りコースへの対応がカギとなりますが、兵庫ジュニアグランプリを過去に3勝している武豊騎手とのコンビで、ダートグレード競走のタイトルを狙います。

兵庫ジュニアグランプリ通算3勝を挙げている武豊騎手とのコンビで挑むメイショウテンスイ(写真は2019年オキザリス賞優勝時、撮影:下野雄規)


 ダート1400mで2戦2勝の牝馬・ファシネートゼット。中京で新馬戦を勝ったのち前走・阪神の2歳1勝クラスでは先行馬を見ながら好位につけ、直線で前を交わしてゴール。この時の2着馬ジェネティクスは、続くオキザリス賞で1番人気に推されメイショウテンスイの4着。さらに3着だったキメラヴェリテがその後北海道2歳優駿を制していることから、非常に価値のある勝利だったと言えます。

牝馬では4頭目の当レース制覇を狙うファシネートゼット(写真は2019年2歳1勝クラス優勝時、(c)netkeiba.com)


 4戦2勝【2-0-0-2】のテイエムサウスダン。チークピーシーズを着用した2走前から走りが一変。手応え十分のまま8馬身差をつけて未勝利を勝ち上がると、前走・なでしこ賞(京都・2歳1勝クラス・ダート1400m)も快勝して2連勝。重馬場とはいえ時計も優秀で、先行して抜け出す力強い走りを園田競馬場でも繰り出すことができれば、楽しみな存在。

チークピーシーズを装着後、走りが一変したテイエムサウスダン(写真は2019年なでしこ賞優勝時、(c)netkeiba.com)


 東京の1600mで2戦1勝【1-1-0-0】のゲンパチマイティー。逃げ切って未勝利を勝ち上がった前走同様に今回も大外枠。初の右回り・小回りコースでの位置取りにも注目。父スマートファルコン、母は牝馬ながら2003年の帝王賞を制したネームヴァリュー。ダートの良血が花開くか見逃せない1頭です。

父母ともに帝王賞を制しているゲンパチマイティーの素質に期待(写真は2019年2歳未勝利戦優勝時、撮影:下野雄規)


 芝で4戦2勝、今回が初めてのダート戦となるイロゴトシ。歴代の勝ち馬の中では2011年のゴーイングパワーが初ダートでここを制しており、未知の魅力を見せてくれる可能性も。

今回が初ダートとなるイロゴトシには未知の魅力がある(写真は2019年ひまわり賞優勝時、(c)netkeiba.com)


 地方勢ではホッカイドウ競馬から参戦のアザワク。唯一の馬券圏外は函館2歳S(函館・GIII・芝1200m、12着)のみで、ダート戦に限れば5戦して【3-2-0-0】と連対率100%。2走前・エーデルワイス賞でも2着。今回は距離延長となりますが、この馬の持つスピードを活かすことができれば、上位争いに加わることができそう。

ダートでは連対を外していないアザワクにも注目(写真は2019年サッポロクラシックカップ出走時、ユーザー提供:史緒さん)


 前々走・兵庫若駒賞を制した地元兵庫のエキサイター。7戦5勝【5-0-1-1】で園田が舞台のレースは負けなしの5戦5勝。JRAの芝に挑戦した2走のうち3走前の野路菊S(阪神・OP・芝1800m)でも3着に善戦。今回、地の利はあるものの、上位争いに加わるにはタイムの短縮が必要。史上初、地元馬の勝利を目指します。

園田では負けなしのエキサイターが強敵を迎え撃つ(写真は2019年兵庫若駒賞優勝時、撮影:稲葉訓也)


【今回のイチオシ馬】
・ファシネートゼット
勝てば、2001年ミスイロンデル、2009年ラブミーチャン、2010年リアライズノユメに続く4頭目の牝馬による制覇です。

【気になる馬】
・アザワク
スピードが活きる戦いになれば面白い。

 これまでの勝ち馬から2004年プライドキム、2008年スーニ、2009年ラブミーチャン、2015年のサウンドスカイと4頭の全日本2歳優駿勝ち馬を輩出。さらに昨年のデルマルーヴルを含め7頭が全日本2歳優駿で2、3着になっており、暮れの2歳チャンピオン決定戦に向けて見逃せない戦い。もちろん2歳戦のみならず、古馬になってからの活躍にも繋がる若駒たちの登竜門です。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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