今年は「ひねる」より「絞る」
阪神芝1600mは直線も長く、前半がゆるいと極端に速い上がりも出やすい。キレるタイプであって損はないというコースだ。
ただ、過去10年の「前走上がり最速馬」は[6-4-2-43]で回収率が単55%・複64%でパッとしない……これにはからくりがあって、前走条件戦組が寄与していないのだ。新馬・未勝利組が[0-0-1-12]、1勝クラス組が[1-0-0-18]と、計30頭中2頭しか馬券に絡んでいない。
前走オープン組に限ると[5-4-1-13]。そのうち6頭は負けてきた馬なので、「前走上がり最速でオープン・重賞を勝ってきた馬」とすると[5-2-1-9]、回収率が単151%・複76%となる。
今年、前走オープンを上がり最速で勝ってきた馬というとリアアメリアとウーマンズハート。その決め脚が生きるということになると、堅い決着になる。
このタイプが連対したのは過去10年のうち2010年(3連単24540円)、2013年(同42130円)、2016年(同4250円)、2017年(同8560円)、2018年(同5020円)で、いまの番組構成に近い過去3年は相手も上位人気になっている。
このタイプが飛んだ事例のうち、2番人気だったサンブルエミューズが8着に終わった2012年は前半が45.9秒→後半が48.3秒の極端な前傾ラップ。こうなるとキレではなくバテ合いの様相になって荒れることもある(この年は3連単304万円)が、最近の競馬でそのような極端なペースがそうそう起こるとは思えない。
あまり考えたくないことだが、今年は「ひねる」より「絞る」ことを考えたほうがいいのかもしれない。