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登録馬の過半数が距離延長の朝日杯FS

  • 2019年12月10日(火) 12時00分

例年の傾向通りなら馬券の対象は絞られるはず


 先週の阪神JFではファンタジーSから臨んだレシステンシアが距離延長・初距離を克服して優勝した。

 ただ、朝日杯FSのほうは舞台が阪神に移って以降、距離延長組の苦戦する度合いが強まっている。

 中山時代の最後5年は前走芝1400m組が[1-3-2-26]で複勝率18.8%。これでも正直低いのだが、阪神に移ってからは[0-1-2-24]で複勝率11.1%とさらに下がっている。前走芝1200m組については中山時代も[0-0-0-11]でもともと機能していないが、阪神になってからは[0-0-0-3]でそもそもほとんど出てこなくなった。

 また、中山時代の最後はショウナンアチーヴ(13年2着)やダイワバーバリアン(09年3着)のように500万条件の芝1400mから来た馬が少しは馬券に絡んでいたが、阪神になってからの5回はオープン特別以下の芝1400mから来た馬は[0-0-0-11]。馬券に絡んだ3頭はいずれも京王杯組で、かつ4着以下から来た馬は一切馬券に絡んでいない。

 今年は登録17頭中、前走芝1400m組が過半数の9頭。京王杯1、2着組にはまだ3着以内の可能性があると考えても2頭いっぺんにとは考えづらい。

 さらに、前走1600mでもダートや未勝利戦から来た馬もおり、前走1勝クラスで負けてきた馬もいる。例年の傾向通りになるなら、かなり馬券の対象にできる馬は絞られるのではないだろうか。

 先週は一本かぶりの馬が大敗することになったが、傾向重視ならひるまずもう一回堅く行く手かとも思う。逆に傾向外の波乱になるなら、いよいよ馬場の変化が枠順と位置取りメインの競馬を生み出しているということになってくるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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