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東西ジョッキーに直撃!「今年の俺のベスト騎乗はこれだ!」

  • 2019年12月29日(日) 18時02分
馬ラエティBOX

みなさんの今年のベストレースは何ですか?(ユーザー提供:evangelionさん)


2019年も残すところあとわずか…ということで! 東西のジョッキーのみなさまに、1年を振り返り、今年の“快心の一鞍”と、2020年の抱負を語っていただきました。

(取材・文=美浦:佐々木祥恵、栗東:大恵陽子)

北村友一騎手


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◆10月13日 京都11R・秋華賞(GI) クロノジェネシス 1着(4番人気)

 しっかり結果を出して、勝つことができました。どの馬でも大事にしたいと思っていることなのですが、このレースでは2コーナーでうまく馬が落ち着いて、レースの流れと馬のリズムが噛み合いました。流れとリズムが一致することは重要だと思います。今年はGI初制覇をしましたが、勝った後と前で特に変わったことはありません。2020年もまたGIを勝ちたいです。



小林凌大騎手


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◆12月15日 中山1R・2歳未勝利 スピーニディローザ 1着(4番人気) ※小林騎手JRA初勝利

 道中うまく我慢ができましたし、それでいて置いていかれずに進められました。直線でうまく外があいてくれたので砂をかぶらないところに出せましたし、これまでで1番うまく乗れたかと思います。

 今年はあまり良い活躍ができなかったので、来年は勝ち星をどんどん伸ばしていって、同期や先輩ジョッキーにも負けないくらい頑張っていきたいです。



木幡巧也騎手


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◆7月21日 福島10R・横手特別(3歳以上2勝クラス) グラスブルース 1着(7番人気) ※JRA通算100勝達成

 自厩舎のグラスブルースという馬で僕自身の100勝を達成したレースです。中団やや後ろくらいから差して優勝したのですが、直線でも外に出さずに内から捌いていきました。自分は前々で運ぶことが多いのですが、それを考えるとあまりしたことのない競馬でしたし、乗っていても良い勉強になりました。またどういうところで脚が溜まるのかを掴んだレースで、今後はそれを生かしていきたいです。

 2020年は、1つ1つしっかり勝って、きれいに乗りたいというのもありますし、1つ1つしっかりと勝っていきたいです。去年と比べて勝率が少し増えましたので、これからも徐々に徐々に増やしていけるように頑張りたいです。



斎藤新騎手


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◆11月16日 福島9R・3歳以上1勝クラス ココナッツスルー 1着(5番人気)

 元々そういうところのある馬なのですが、このレースはマクって勝てて気持ち良かったです。タガノエルフでもまくって勝ったり、僕けっこうマクります。マクっていくレースって見ていても盛り上がりますし、決まったら気持ちいいですね。その代わり、決まらなかったら「何してんねん」となりますが(苦笑)。ペースが遅かったり、出負けして腹を括って後ろからのレースでペースが落ちた時にマクることが多いです。これが僕の「ベスト気持ちいいレース」です。

 感情がすごく出ていたレースでは初勝利を挙げたアルファライズでの2勝目、6月16日阪神8R・3歳以上1勝クラスですね。※アルファライズのレースではゴールの瞬間、ガッツポーズをしています



鮫島克駿騎手


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◆1月14日 京都9R・雅ステークス モズアトラクション 1着(5番人気)

 この前のレースで調教再審査となり、調教から乗せてもらいました。以前に乗ったことがあり癖も熟知していたので、直線に向くまで自分なりにしっかり待てて、最後の末脚を引き出せたと思います。前走では途中で嫌気が差してレースを止めてしまって調教再審査になったので、馬の気持ちを切らさないよう心がけました。調教でも気分を損ねないようにし、再審査を1回でパスすることができました。能力が分かっていたので、自信を持って乗れました。



白浜雄造騎手


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◆2月9日 京都4R・障害4歳以上未勝利 ホシルミエール 1着(3番人気)

 どのレースもそれぞれに思い入れがあるので、1つだけを挙げるのはなかなか難しいですね。

 未勝利戦ではありますが、ホシルミエールのレースはスムーズに運ぶことができて、いろんなことが噛み合いました。このレースの数走前から庄野調教師に「早め先頭に立って」と言われて、意識するようにもなっていて2周目向正面から早めに先頭に並びかける判断をしました。強いメンバーのいる一戦で、もしも道中でロスがあったら、勝てていなかったかもしれません。

 今年は障害13勝で自己最多ですが、全てに満足しているというわけではありません。完全に満足するのは難しいと思いますが、「この1年、よかった!」と思えるように2020年も日々積み重ねていきたいと思います。怪我のないように頑張ります。



太宰啓介騎手


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◆5月25日 京都12R・4歳以上1000万円以下(現2勝クラス) ドリームソルジャー 1着(8番人気)

 折り合いが難しい馬なんですが、道中うまくなだめることができ、直線も外を回さずに綺麗に馬群の中が開きました。すべてが上手くいきましたね。お世話になっているオーナーで勝てて嬉しいですし、渡辺薫彦厩舎での2勝目でもありました。※ゴール後、小さくガッツポーズをしています

 2020年、怪我なく頑張ります!



丹内祐次騎手


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◆8月3日 札幌12R・HBC賞(3歳以上2勝クラス) ホープフルサイン 1着(11番人気)

 北海道で毎日ずっと攻め馬をしていて、能力はあっても気が悪くて難しいところがあると感じていました。実戦では早く先頭に立つのも良くなさそうでしたし、それを考えるとあのレースは仕掛どころが完璧だったと思います。

 2020年の抱負は、函館出身なので、また函館記念を勝つことです(笑)。



団野大成騎手


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◆6月16日 函館4R・3歳未勝利 マイタイムオブデイ 1着(9番人気)

 この春にデビューしてからあまり勝てていなくて、(斎藤)新と(岩田)望来が勝っているのを見てだいぶ焦っていました。でも、このレースで人気はしていませんでしたが勝たせていただき、一気に騎乗頭数が増えました。この馬は前走では1200mを走っていたのですが、調教でゆったり走るので1800mは合うと思っていました。道中は前の馬を見ながら、直線だけ外に出して抜けるというすべてが噛み合ったレースでした。本当に嬉しかったです。この馬がきっかけで北海道で10勝を挙げることができました。

 2020年は減量が取れるよう頑張ります!



津村明秀騎手


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◆2月23日 中山11R・アクアマリンS(4歳以上1600万下) エメラルエナジー 1着(9番人気)

 準オープンに上がってなかなか結果が出ない中で乗せてもらったんですけど、描いていた通りというか描いていた以上のレースができました。それまでは結構後ろからのレースが多く、前が詰まったり、引っかかったりと力を出せていない感じがしていました。相沢厩舎の馬は普段から乗せてもらっていますので、エメラルエナジーもどんな馬かある程度わかっていましたし、返し馬など競馬の前から工夫をしました。それが本当に身になった感じで、競馬も少し積極的に出していって、思い描いていた以上のレースができました。本当にうまくいきましたし、会心のレースでした。

 2020年の抱負は、もちろんGI勝利です。大きいレースにもっと名を連ねていきたいですね。中央場所で乗っていくので厳しい戦いになりますが、勝ち鞍ももっともっと増やしていきたいです。



野中悠太郎騎手


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◆7月13日 福島10R・信夫山特別(3歳以上2歳クラス) オセアグレイト 1着(1番人気)

 古馬との対戦でしたが、この後のことを考えるとどうしても勝っておきたい一戦でしたし、福島の2600mという少し特殊な条件のレースでも、落ち着いて乗れていたと思います。

 2020年は、まずは1年怪我なく無事に、年間を通して乗り続けることを目標に頑張ります。年男ですし、何とか良い波に乗っていけるようしたいですね。



藤井勘一郎騎手


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◆4月20日 京都9R・あずさ賞 カリボール 1着(3番人気)

 直線だけでゴボウ抜きをして、末脚が気持ち良かったですね! 行き脚がつかず後ろからになって、3〜4コーナーもエンジンがかからなかったのですが、直線で外に出すと一気に伸びました。以前に乗って勝った時は前目でレースをしていたので、それが勝つイメージかなってちょっと固定観念があったのですが、こういう脚を使う馬なんだと驚きました。上がり3Fが33.2秒。海外ではこういう脚を使える馬はそんなにいません。スカッとしたレースでした。

 今年はJRAの騎手になって1年目で、これまで競馬はずっと乗ってはいましたが、自分の中で新しいことづくめでした。同じ日本でも期間限定騎乗をしていた地方競馬とも違いますし、各コースの癖やたくさんいる関係者のみなさんを覚えていきました。2年目の2020年はそれを生かして、自分でどんどん成長したいですし、現時点でつかめている自分もいます。突き詰めたいですね。35歳(大晦日に36歳の誕生日)でも楽しみを持って前向きな気持ちでチャレンジしていきたいです。



黛弘人騎手


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◆12月15日 中山7R・3歳以上1勝クラス ファイトアローン 1着(4番人気)

 休み明け初戦の福島では出負けしたこともありうまくいかなかったので、その反省も踏まえて調教からいろいろ考えさせてもらって、競馬に向けてしっかりと追い切りをすることができました。実戦では出していって、思い描いた通りの競馬ができました。内容も良かったですし、レースまでの過程や厩舎ともコミュニケーションを取りながらできたのも良かったです。

 週末だけ頑張ろうと思っても結果は出ないと思いますので、日々調教でも意識をしながらやっていって、その上で競馬でしっかり乗っていければと思います。



丸田恭介騎手


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◆2月10日 小倉11R・関門橋S アウトライアーズ 1着(6番人気)

 それまでが後ろから行って動かずに負けているレースが続いているので、今回は向こう正面から積極的に動く形の競馬をしてみても良いのではないかというお話を先生から頂いて乗せてもらいました。動き出しのタイミングとペースも良かったですし、3、4コーナーの手応えと自分が行きたいと思ったタイミングで上手く行けて、クビ差で勝つことができました。わりと良いレースだったと思います。

 来年は自分の仕事をコツコツとこなして、それに結果がついてきてくれたら最高ですね。来年は重賞を取りたいです。



武藤雅騎手


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◆12月15日 中山10R・北総S(ダ1800m) ゴルトマイスター 1着(1番人気) ※JRA通算100勝達成

 それまではずっと前々での競馬だったのですが、先生とも話し合って次に繋がるレースをということで控えていきました。前半は内めで我慢して、向こう正面では外から押し上げていって勝てましたし、会心のレースだったと思います。

 2020年の抱負は、星印が取れて減量がなくなりましたので、これからが本当の勝負だと思います。今年の成績をしっかり伸ばしていって勝ち星を減らさないということと、中央の重賞で勝てるように頑張ります。



森一馬騎手(2019年障害リーディング)


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◆7月21日 中京1R・障害3歳以上未勝利 ランドハイパワー 1着(6番人気)

 元々は先輩が騎乗していた馬なのですが、怪我をされて急遽、乗せていただくことになりました。何回か調教で騎乗していくうちにだんだん人馬のコミュニケーションが取れて、はじめはそんなに上手ではなかった飛越も、レースではスムーズに飛んでくれました。

 調教や過去のレース映像を見て馬の特性を考えた時「どう乗っても勝てる」というほど力が抜けているわけではなさそうだけど、レース中どこかで1回は瞬発力のある脚を使えるタイプだと思い、そのことを頭に入れてレースに臨みました。また、体が緩いタイプなので、1度リズムを崩してしまうと立て直しに時間がかかるとも思い、飛越も道中もいつも以上に繊細に乗りました。

 中京の障害は一見、単純なコースなのですが、ロスなく、道中で無駄な体力を使わずに乗って、ここぞというところで一瞬の脚を使って半馬身差で勝つことができました。「上手く乗ったぞ!」というより、レース前に考えていたやりたいことができて勝てたので気持ち良かったです。

 2020年は障害で20勝以上し、来年以降も障害リーディングをとり続けます!

 昨年は8月まで障害未勝利だったのですが、勝てない間に先輩方に色々教えていただいたり考えたりして、8月以降の5カ月で8勝を挙げさせてもらいました。そして、昨年末には「来年は障害リーディング!」と意識していました。これからもっと障害レースにも注目してもらえたらと思いますし、僕ももっと勝ちたいです。

(※五十音順)

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