北海道・帯広競馬場、朝6時半。夜明け前の競馬場はまだ薄暗く、気温は氷点下14℃に達します。肌を刺す寒さの中、ばん馬たちが体から湯気を出しながら調教に励んでいました。申し込み(先着順、有料)をすれば一般の競馬ファンでも見学ができるばんえいの調教。今回、私も初めて参加し、ちょっと馬ニアックな氷点下の世界を覗いてきました。
満月や朝日とのコラボレーション
調教見学ツアーに参加したのは1月12日、日曜日。この時期は6時半にスタートするコースでした。
駅前のホテルからタクシーに乗って5分ほどで競馬場の厩舎門に着くと、すでにツアー担当の職員さんたちが寒空の下、待っていました。受付を済ませ、全員が揃ったところでツアースタート。調教に向かう人馬を見ながら、撮影ポイントに向かいます。
5分ほど歩いて人馬の往来を少し離れた場所から見られる撮影ポイントに到着。ここから大きく動かなければ、周囲を歩く人馬たちを自由に撮れるというわけです。
偶然にも、前夜は2020年最初の満月、通称ウルフムーン。1日ズレてしまいましたが、明け方の空には綺麗な月も見えます。
▲この季節はオオカミの遠吠えが多く聞こえることが名前の由来だとか
月と反対の方向に目を向けると、ソリを引く多くの馬たちの姿が。大きなばん馬たちが白い息を吐きながら歩く姿は壮観です。北海道開拓の時代、きっとこんな風にして馬たちは田畑を耕したり、木材を運んでいたのでしょう。
▲ばん馬の壮観な姿を目にして明治初期の北海道開拓に思いをはせる
ところで、撮影ポイントでは到着する私たちを待ってくれていた(?)ばん馬が2頭いました。
付き添っていた厩舎スタッフの方が「触ってもいいよ」と大サービス。
一方で、じっと馬が立っているため、カメラを構えた人たちにとっては絶好のシャッターチャンス。私はお尻からのショットを撮影してみました。
▲立ち上る湯気を撮影したかったのですが…
体から湯気が立ち上るところを撮りたかったのですが、なかなか難しいです。
ちなみにカメラは初心者モデルの一眼レフ。最近、買い替えたのですが、細かい数値の設定が苦手で悪戦苦闘しています。以前、コラムで「ナイター撮影講座」なるものを実施したものの、「空の色をクッキリ出したい時はどの値を触ればいいの?」状態。
ふと、近くにいた本格派一眼レフカメラ保持者を見ると(ほぼ盗み見…苦笑)、ばん馬の顔をアップで、かつ背景に綺麗な朝焼けという素敵なショット。
素敵な光景なだけに、構図やカメラの設定次第で相乗的にいい写真が撮れるんだろうな〜と指をくわえて見ていました。
その一方で以前、調教ツアーに参加したカメラマンさんから「日が昇り始めると刻々と空の色が変わっていくので、構図にこだわりすぎず、とにかくたくさんシャッターを押した方がいいですよ」というアドバイスもいただいていたので、とりあえず撮る、撮る、撮る!
▲アドバイスの通りにたくさんシャッターを押しました!
▲馬の鼻息の白さが気温の低さを物語っています
この日の日の出は6時57分。上記2枚の写真は7時10分頃の撮影です。このあと7時30分まで撮影をして終了となりました。
撮影時の気温はマイナス14℃。暖冬ではありますが、しっかり冷え込んだことや湿度が高かったこともあってか、競馬場の木々には霧氷が。そして、ばん馬たちのまつ毛も白く氷の結晶が付いていました。
▲まつ毛が凍っている様子もどこか可愛げがあります
調教後は温泉に十勝グルメ
ホテルに戻ると、お風呂にゆっくり浸かって冷え切った体を温めました。帯広には大浴場付きのホテルが何軒かあって、私の利用したホテルは源泉かけ流しのモール泉!茶褐色の温泉で体の芯から温まって、帯広を発つお昼までは十勝産小麦100%のパン屋さん「満寿屋」に行ったり、朝ドラで一躍有名になった「柳月」直営レストランでチーズをたっぷり使ったパスタを食べたり、北の大地のグルメを満喫してきました。
さて、参考までに当日の私の服装はこんな感じ。
▲撮影したのは前日の昼間のため、写っている周囲の状況は調教見学時と若干異なります
≪トップス≫
あったかインナー+ニット+薄手のダウン+ロングダウンコート+腰にカイロ
≪ボトムス≫
タイツ+デニム+あったかシャカパン+レッグウォーマー+ウールの靴下+足裏にカイロ
≪備品≫
厚手の手袋
(ただし、カメラやスマホ操作のため人差し指と親指の先端を切って、指先を出しています)
マフラー
ニット帽
ショートブーツ+着脱式の滑り止め
晩秋から早春にかけて、重賞レース日や日曜日(レース開催日)などに実施されている調教見学ツアー。残念ながら今年度(3月まで)ですでに発表になっているツアーは全日程、定員に達したため受付終了となっていますが、ぜひ来年度以降、行ってみてはいかがでしょうか。
ツアー料金は2000円で、お土産と当日または前日に使えるプレミアムラウンジ利用券が付いています。時期によってツアー開始時間は異なります。詳しくは帯広競馬場の公式HPをご覧ください。