ラウダシオンに似たリアルインパクト産駒の好配合馬トキノフォルテシモ
●アタカリスポーン(牡 美浦・鈴木伸尋 父ヘニーヒューズ、母アクイレジア)
レパードS(GIII)3着、北海道2歳優駿(JpnIII)5着などの成績を挙げているトイガーの全弟。母アクイレジアは牝馬ながらジャパンダートダービー(GI)2着などの成績を残した活躍馬。
2代母ロジータは地方競馬史上最高の名牝の1頭で、南関東三冠(羽田盃、東京ダービー、東京王冠賞)に加え、東京大賞典、川崎記念、浦和桜花賞などを制した。繁殖成績も優秀。アクイレジアのほかにカネツフルーヴ(02年帝王賞-統一GI、03年川崎記念-統一GI)、イブキガバメント(01年朝日チャレンジC-GIII、02年鳴尾記念-GIII)、オースミサンデー(97年弥生賞-GII・2着)などを出している。
父ヘニーヒューズは存命中の種牡馬のなかではダート界ナンバーワンといえる大物。ダート中距離の重賞を勝ってもおかしくないポテンシャルを秘めている。
●エアマルソー(牝 栗東・笹田和秀 父クロフネ、母エアパスカル)
母エアパスカルはチューリップ賞(GIII)の勝ち馬。3歳春にキラリと光り、その後は低迷を続けた早熟タイプだったが、半弟にカルドブレッサ(14年中山金杯-GIII・2着)、伯父にブラックタキシード(99年セントライト記念-GII)がいるファミリーは上々だ。
本馬の父はクロフネ。母方にサンデーサイレンスとMr.Prospectorを併せ持つクロフネ産駒は好パターン。ここまでデビューした兄姉3頭はいずれもJRA未勝利だが、本馬は悪くない。芝・ダート兼用のマイラー。
●トキノフォルテシモ(牝 美浦・竹内正洋 父リアルインパクト、母ムーンライトガーデンズ)
サイレントソニック(OP/父ディープインパクト)の4分の3妹、ビタースウィート(14年TCK女王盃-JpnIII・5着/父Afleet Alex)の半妹。後者の息子に共同通信杯(GIII)2着馬ビターエンダーがいる。母ムーンライトガーデンズは Mr.Prospector=Search for Gold 4×3・4で、全体的にパワー型の血が多く含まれているが、配合構成そのものは悪くない。
父リアルインパクトは現3歳世代が初年度産駒で、現時点で14頭が勝ち上がっている。種付け料80万円の種牡馬としては注目に値する好成績だ。出世頭のラウダシオンはクロッカスS(OP)を楽に逃げ切って重賞に王手を掛けているが、同馬は母方にUnbridled's Songを持っている。Unbridled's Songの父Unbridledはリアルインパクトが抱えるIn Realityとニックスの関係にあるので、これが好相性の鍵だろう。
本馬は母の父にUnbridled's Songを持つのでラウダシオンと配合の骨格がよく似ている。芝・ダート兼用の短距離タイプ。
●プレシオーソ(牡 栗東・清水久詞 父ブラックタイド、母エアラホーヤ)
マジェスティハーツ(13年神戸新聞杯-GII・2着/父ハーツクライ)、ラプタス(現OP/父ディープブリランテ)、ラホーヤビーチ(準OP/父タイキシャトル)の下。母エアラホーヤはデビュー戦(芝1200m)を逃げて楽勝するなど、現役時代に非凡なスピードを見せたものの、脚部不安のため[1-2-0-1]とわずか4戦で引退を余儀なくされた。前述のとおり、その鬱憤を晴らすかのように繁殖牝馬としては大成功した。
本馬の父ブラックタイドはディープインパクトの全兄で、名馬キタサンブラックの父でもある。本馬はラプタスと4分の3同血なので期待できる。芝向きの中距離タイプ。
●ヤマニンルノン(牝 栗東・浅見秀一 父スウェプトオーヴァーボード、母ヤマニンアルシオン)
母ヤマニンアルシオンは阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)2着馬。2代母ヤマニンパラダイスはデビュー3連勝で阪神3歳牝馬S(GI)を制したマル外の大物で、名繁殖牝馬Courtly Deeの孫にあたる良血を活かして繁殖牝馬としても成功、ヤマニンアルシオンの全兄に京成杯(GIII)を勝ったヤマニンセラフィムがいる。
本馬の父はスピード型のスウェプトオーヴァーボード。「スウェプト×サンデー」の組み合わせは、スプリンターズS(GI)を連覇したレッドファルクス、阪神牝馬S(GII)2着のベルルミエール、中山金杯(GIII)2着のキョウエイストーム、ファンタジーS(GIII)2着のベルスールなどと同じ。芝向きのスプリンター〜マイラー。