▲ニホンピロスクーロで挙げた今年初勝利を振り返っていただきました
日曜日の小倉2Rで、待ちに待った今年初勝利を挙げた小牧騎手。パートナーは、デビュー以来一貫して手綱を握るニホンピロスクーロ。淀みないペースでの逃げからの圧勝劇でした。今週の『太論』では、うれしい初勝利を振り返るとともに、その夜の祝杯エピソードを披露。美味しい料理に舌鼓を打つなか、まさかの出来事が!?(取材・文:不破由妃子)
ひとつ勝つのがこんなに難しいとは…
──日曜日の小倉2R・3歳未勝利戦で2020年初勝利(ニホンピロスクーロ)、おめでとうございます!
小牧 ありがとう。さすがにうれしかったわ。
──鮮やかな逃げ切りで、ゴール前もかなり余裕がありましたね。
小牧 うん、強かったわ。半信半疑のところもあったんやけど、なんせいい時計を持ってたでしょう。前回同じ小倉のダート1700mで、1分46秒5やったからね。時計的には本命馬とも互角やったから、これはイケるかも…という期待ももちろんあった。それにしても、人気がなかったね。なんで3番人気なんかなぁと思ってたわ。1番人気でもいいくらいだったのに。
──重馬場とはいえ、勝ち時計は1分44秒9。勝ちっぷりからしても、この前のメンバーでは力が抜けていた印象でした。
小牧 うん。クラスが上がっても楽しみやね。まぁとにかくよかったです。とはいえ、ひとつ勝つのがこんなに難しいとは…。
──ホントですね。でも、前回こそゲートでアクシデントがありましたが、結果的に狙いすました小倉ダート1700mでの勝利。小牧さんの読みが見事にハマった格好です。今回は逃げようと決めていたのですか?
小牧 いや、逃げるつもりはなかったよ。好位で競馬をしようと思ってたけど、なんせ二の脚が速かったから。気持ち的には、「あ〜、行ってしまった…」っていう感じやった。今回はゲートも大人しかったしね。中間しっかりゲート練習をしてくれた厩舎のおかげや。
──服部厩舎にとっても、平地では今年の初勝利でしたね。
小牧 そうそう。障害では、僕より先にひとつ勝ってたけど(笑)。
──服部先生は小倉にいらしてたんですか?
小牧 いや、あの日はきてなかった。だから、レースが全部終わった後、すぐに電話しました。先生はもちろん、奥さんもすごくよろこんでくれてね。うれしそうな声を聞いているうちに、やっぱり勝つっていいなと改めて思ったりして。
──先週はもう1頭、土曜日のドルチェリア(小倉10R・早鞆特別)が2番人気3着。相変わらず掲示板は手堅い馬ですが、小牧さんとしてはもどかしさもあるのでは?
小牧 ん〜、やっぱりちょっと甘さがあって…。なかなか難しい馬やねぇ。あの馬こそハナに行ってもよかったなぁ。内枠だったら行けてたと思うし、ハナにでも行ったら面白かったかもしれん。
──レース後「もっと思い切ったレースをしてもいいかも」とおっしゃってましたが、次は逃げも視野に?
小牧 いや、逃げるというより、もうちょっと早めに仕掛けて、早めに先頭に立つような競馬のほうがいいんかなと。手応えの割には伸びんからね。
──この前も、4コーナーを回る時点では1、2着馬より手応えがよさそうに見えました。
小牧 そうでしょう? 僕も「これだったら伸びてくれるはず」と思ったんやけど。だから、もうちょっと積極的に仕掛けて行って、早めに抜け出すような競馬をしてみたいかな。
──ちなみに、日曜日の夜はどう過ごされたんですか? さぞかし美味しいお酒が飲めたのでは?
小牧 うん。ていうかね、20年近く前から定期的に行っている小倉のお店があるんやけど、なかなか予約が取れんから、1カ月前から予約してた(笑)。そこでね、美味しいアワビを食べさせてもらったんやけど、歯が折れてしまって…。だから今、前歯が一本ないねん(笑)。
──それはそれは…。それにしても、歯ってアワビで折れるんですね(笑)。
小牧 差し歯やけどね、ポッキリ折れたわ。今、超マヌケな顔になってるで(笑)。でね、明日久しぶりに園田が入って。中尾厩舎のマテラハピネスっていう馬で行くんやけど、歯医者の予約が取れんかったから、歯がないままレースに乗らなアカンねん。だから、いい結果が出ても、絶対に笑えない(笑)。
「やっぱり勝つっていいなと改めて思ったりして」