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【中山記念】リピーターの多いスペシャリストの重賞

  • 2020年02月29日(土) 18時00分

ジョッキーにもスペシャリストがいる


 古い歴史を持つ中山記念は、1800mに変わりスピード化が進んだ1970年代からリピーターの多い「スペシャリストの重賞」となった。1、1、2着だったカネミカサ、同じく1、1、2着のエイティトウショウは古いが、過去20年に限定しても、ローエングリン1、3、1着、バランスオブゲーム2、1、1着、カンパニー2、4、1、1着。さらにはローエングリンの産駒のロゴタイプが3、2、7、3着。3回も馬券に関係した馬が4頭もいる。

 今年もリピーターの多い年で、すでに1、1着しているウインブライト、昨年2着のラッキーライラックがいる。さらに2回挑戦して3、7着のマルターズアポジー、18年5着のペルシアンナイトが出走する。史上初の3連覇がかかるウインブライトだけでなく、他の3頭も軽視できない。実際に中山1800m向きなのだから…。

 4歳ダノンキングリーは、中山1800mは初めてでも、共同通信杯、毎日王冠を完勝して距離1800m【2-0-0-0】。今回、入厩後の速い時計がちょっと物足りない気もするが、ベストの距離だけに評価は下げられない。

 GI競走のない芝1800mは根幹距離ではないとされるが、それは体系の範をとったイギリスに9ハロンの大レースが乏しかったためで、小回り8.5-10ハロンを歓迎するアメリカ血統の輸入馬(サンデーサイレンスなど)の影響が大きい現在の日本では、コース形態から1800m(ダートも含む)は、実際には非常に重要な距離となっている。

 いや、やっぱり1マイル、1マイル4分の1、1マイル半が基本だという考え方にも納得だが、先週のフェブラリーSが示すように、ダート1600mがあるのはJRA10場では東京だけ。ダート1800mは5場で行われている。また、芝1600mは6場に設置されているが、芝1800mは9場で行われている。必ずしもコース形態だけが理由ではないところがある。

 中山記念には、ジョッキーにもスペシャリストがいる。横山典弘騎手(52)は中山2200mのAJC杯6勝、2500mの日経賞5勝、1600mの京成杯AH5勝など、ペースと、スパートのタイミングが難しい中山コースの重賞に抜群の良績を残している。

 コーナー4回の1800mの中山記念は、前出カンパニーの2連勝を中心に【4-5-1-12】。4勝は史上最多勝タイ。連対率.41%を誇る。差し=追い込み戦法の多かったカンパニーは、中山記念ではサッと2-3番手につけて抜け出している。ダノンキングリーも素早く先行する公算大。

 侮れないのは、絶好の仕上がりを示すペルシアンナイトか。中山には皐月賞をクビ差2着がある。この頭数がもっとも有利な馬だろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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