熱き牝馬たちの戦いに目が離せない！

　3月5日(木)川崎競馬場で行われる牝馬のダートグレード競走『第66回エンプレス杯』。

　今回は残念ながら無観客での実施。お客様の歓声が聞こえないのは寂しい限りですが、全国の皆さん、ネット環境を駆使し馬券を買って声援を送りましょう。

　JRA勢・地方勢ともに重賞ウイナーが揃って実力拮抗。カギとなるのは左回り川崎・2100mという距離。混戦模様の面々をご紹介していきます。

　昨年の勝ち馬プリンシアコメータは2017年クイーン賞、2018年レディスプレリュードも制したダートグレード競走3勝馬で、メンバー中ナンバーワンの実績。2走前のレディスプレリュードは出遅れて大敗(10着)したものの、昨年のエンプレス杯のあとは4戦2着3回とまだまだ元気な7歳馬。前走クイーン賞ではクレイジーアクセルに逃げ切られてしまいましたが、今回は得意の長距離でじっくりとマークできるのは好材料。勝ち鞍7勝のうち6勝を左回りコースで挙げているのも心強く、鞍上・岩田康誠騎手とともに連覇を狙います。


　アンデスクイーンは昨年のブリーダーズゴールドC、レディスプレリュードを制覇しているダートグレード競走2勝馬。前走TCK女王盃では直線でマドラスチェックとの叩き合いとなり、同時に並んでゴール。首の上げ下げで実に惜しいハナ差2着。実力上位は周知のとおりですが、気になるのは勝ち鞍7勝がすべて右回りコースという点。前走に続いてC.ルメール騎手とのコンビで、初めての川崎コース・左回りでも勝利を挙げたいところ。


　昨年の関東オークスを制したラインカリーナ。その後、古馬との初対戦だったブリーダーズゴールドC3着、クイーン賞も3着と馬券圏内。牡馬相手でも太秦S(京都・OP)4着、前走・佐賀記念4着と大崩れなく、牝馬同士ならば巻き返し必至。クイーン賞同様にクレイジーアクセルとの先行争いがポイントとなりますが、関東オークスと同舞台で存在感を示したい戦いです。


　関東オークスでラインカリーナの3着だったトーセンガーネット(当時は浦和所属)。その後JRAに移籍し芝のレースに挑戦するも大敗。ここ2戦も牝馬のダートグレード競走で不振な成績が続いています。とはいえ昨年の浦和桜花賞、東京プリンセス賞を制した南関東牝馬クラシック2冠馬。的場文男騎手を背に改めて期待したい1頭。


　見逃せない注目馬は初ダートで挑むパッシングスルー。昨年の紫苑Sを制した芝の重賞ウイナーが地方競馬のダートグレード競走に初参戦。母マイティースルーは関東オークス4着(同じく初ダートで)、半弟シェダル(父ゴールドアリュール)は1月の新馬戦・中山ダート1800m戦を圧勝と、血統的なダート適性は高そう。初物づくしのこの馬にとって、南関東競馬を知り尽くした森泰斗騎手が鞍上というのは好材料で、非常に楽しみ。


　JRA勢5頭に対する地方勢も重賞ウイナーに注目。

　昨年クイーン賞を制し、NARグランプリ2019最優秀4歳以上牝馬を受賞した大井のクレイジーアクセル。前走・TCK女王盃では好ダッシュから逃げたものの道中は終始サルサディオーネに競りかけられる厳しい展開で、直線では共に沈んで11着(サルサディオーネ10着)。今回も同型との兼ね合いがカギとなりますが、昨年(11着)以上の力を付けた今、再びのJRA勢撃破を目指します。


　サルサディオーネはデビュー以来勝ち星はすべて左回りで5勝。前走・報知グランプリカップではタービランス、ヤマノファイトら南関東の一線級牡馬相手に見事逃げ切り、約1年半ぶりの勝利を挙げました。地方競馬で行われる牝馬のダートグレード競走では2018年エンプレス杯3着、クイーン賞2着、2019年スパーキングレディーカップ2着があり、今回も上位を狙える存在。


【今回のイチオシ馬】
・プリンシアコメータ
　2100mは7戦して2勝2着3回。エンプレス杯は一昨年2着、昨年1着と好相性のレースで、再びの勝利を目指します。

【気になる馬】
・クレイジーアクセル
　2枠2番に入り、あとは自分の競馬をするのみ。サルサディオーネ、ラインカリーナとの先行争い次第で、気分良く逃げることができれば自ずと結果はついてくるはず。

　プリンシアコメータの連覇なるか、アンデスクイーンが左回りコースで初勝利なるか、同舞台の関東オークスを制したラインカリーナの出番か。クレイジーアクセル、サルサディオーネの先行争いの行方は？そこに初ダートのパッシングスルーも加わって、大混戦必至。熱き牝馬の戦いをお見逃しなく！

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