▲みんな開催してくれてるだけでありがたいと思ってますよ
無観客競馬が始まって早4週間。ドバイWCも中止になり、新型コロナウイルスの影響は深刻化の一途をたどっています。そんななか、「開催してくれているだけでありがたい」と小牧騎手。今週の『太論』では、感染予防対策も含めた小牧騎手の近況をお届けします。(取材・文:不破由妃子)
寂しいけど…開催してくれるだけでありがたい
──新型コロナの影響についてはこの前も少し伺いましたが、世界でも競馬が次々と中止になって、どんどん深刻化してきていますね。
小牧 ホンマやねぇ。関係者が一人でも感染したら、日本も中止になるでしょうね。
──国内外のニュースを見ていて、何か思うところはありますか?
小牧 一番思うのは、感染力もL型、S型で違うらしいけど、イタリアとかの新型コロナは本当に同じ種類なのかなぁっていうこと。致死率が全然違うもんね。あれは怖い。もちろん医療崩壊とかね、致死率が高いのはいろんな要因があるんやろうけど、もし本当に違う種類があって、それが日本でも蔓延したら…。そうなったら怖いなぁと思ってる。
──お客さんがいない開催も、まだしばらくは続きそうです。
小牧 うん、寂しいね、やっぱり。お客さんがいないもんやから、行き帰りは堂々と電車に乗ってるけど(笑)。この前も言ったけど、レースに関しては全然変わらない。緊張感は変わらずあるし、みんな必死です。みんな開催してくれてるだけでありがたいと思ってますよ。
──小牧さんは何か個人的に対策はしていますか?
小牧 僕が思うにね、風呂がいいんちゃうかと思って。どうやらあのウイルスは湿度に弱いらしいやん。僕はただでさえお風呂にようけ入るでしょう。今はなおさら風呂ばっかり入ってるもん。まぁ脱衣所とかでは注意が必要やろうけどね。
──調整ルームでは、何か新しくルールが設けられたりしてるんですか? たとえば食堂に大人数で集まってはいけないとか。
小牧 いや、とくにないよ。そもそもそんなに集まらんし。ただ、体温計はちゃんと置いてあるけどね。入室時に各自で計るねん。そういえば僕、この前35度3分やったな。なんでやねんと思いながら(笑)。そうやって自分のことは自分で管理してるわ。あとは、アルコール消毒液がいたるところに置いてある。僕もそうやけど、みんなちゃんとやってるよ。
──結局、うがい、手洗いなどを念入りにして、自己管理するしかないですものね。
小牧 うん。僕はね、コロナ以前に、もともとうがいばっかりしてるから。
──そうなんですか? なぜ?
小牧 しょっちゅう汗取りしてるでしょ? そうすると喉が渇くから、うがいをして喉を湿らすねん。それはもう昔からずっと。それでも風邪をひくときはひくけどね。
──小牧さんの生活には何か影響ありますか? ご家族から「あんまり飲みに行かないように」って言われたり?
小牧 いや、家飲みも含めて、日、月、火は相変わらず体内のアルコール消毒に励んでます(笑)。それにしても、新幹線がガラガラやねぇ。中京から帰ってくるとき、ビックリしたわ。でもこの前、京都に行ったんやけど、卒業式とか終業式があったからなのか、若い子がいっぱいいたわ。久しぶりにこんなに混んでる京都を見たなって感じ。でもね、よく見たら、年配の人はほとんどおらんねん。タクシーの運転手さんとも話してたんやけど、みんな自粛してるんやね。宮崎のおふくろも暇でしょうがないって言ってたわ。よう出歩いてたけど、今は集まりができないから。趣味のグラウンドゴルフも中止になってしまってね。退屈してるけど、今は我慢せなね。
──では、最後に質問をひとつ。「調教師の引退のニュースを見て、橋口調教師が引退されたときの小牧騎手の涙を思い出しました。小牧騎手にとって恩師かと思いますが、引退後もお会いしたりしているのですか?」という質問です。
小牧 たまにやけど、メールでやり取りはさせてもらってます。お中元とかお歳暮とかは今でもお送りしているので、そういうときに橋口先生のほうから「ありがとう」とメールをもらったり。お会いする機会はなかなかないんやけど、先生の新聞のコラムはいつもチェックしてるしね。
──メールでのやり取りのなかで、競馬の話題にはなりませんか?
小牧 「最近は乗り数とかも寂しくなっているけど、頑張ってください」って励ましてくださったりはするけどね。見てくれてるんやなぁと思うと、改めて「頑張らな!」と思うよね。
改めて「頑張らな!」と思うよね