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目の前で起こった京都の落馬事故 ジョッキーならではの心境を吐露

  • 2020年04月28日(火) 18時04分
太論

日曜日京都1Rの落馬について「見ていて怖かった」と語った小牧騎手


今週の『太論』は、4月のレース回顧です。フレッシュステージで勝利を挙げたほか、ミスターウインディやニホンピロヘイローで穴を連発した小牧騎手。はたして好走の要因は? 激走の舞台裏に迫ります。また、小牧騎手の目の前で起こった日曜日の落馬事故について、ジョッキーならではの心境を明かしてくれました。

(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。


危険と隣り合わせの仕事……僕も怖かったよ


──先週日曜日の京都1R(3歳未勝利・ダ1200m)では、5頭が落馬するという大変な事故がありました。小牧さんもアイファーパープルで出走されていて…。

小牧 4コーナーの手前で少し下がってしまったことで結果的に避けられたけど、危なかったね。もし付いていけてたら…と思うとね。

──小牧さんの位置からだと、一部始終が見えていましたよね。

小牧 ずーっと見えてた。パトロールは見た?

──はい、見ました。

小牧 僕、ずーっと振り返ってたでしょう。目の前で次々と落ちていったから、すごく心配で…。僕の馬は競走中止でこそないけど、もう逃げて逃げて。競馬ができんようになってたね。

──テレビで観ている限り、突然のアクシデントに見えましたが、後ろから見ていて、何か予兆のようなものはあったのですか?

小牧 ないない。いきなりやった。ああいうパターンが一番怖いねん。ただ、芝じゃなくてよかったなと思ってね。芝は下(馬場)がもっと硬いから。

──芝かダートかでそんなに違うんですね。

小牧 全然違うと思うよ。ダートやったのが不幸中の幸いや。(岩田)康誠もね、下敷きになっていたから、もっと大変なケガなんちゃうかって心配やったけど、意識はあったし、今のところは腕の骨折ということで。詳しくはいろいろ検査せなわからんと思うけど、ダートに助けられたところはあると思う。ジョッキーはホントに危険と隣り合わせの仕事。僕も改めて身が引き締まるような思いがしたし、ファンの人もそう思ったんちゃうかな。見ていて怖かったでしょう。

──本当に怖かったです。

小牧 ああいうパターンは、どうしようもないからねぇ。まったく悪いところがない馬でも、競走馬はああいうことがあるから…。僕も怖かったよ。

──では、4月のレースについて振り返っていきたいんですけど、まずはミスターウインディ。4月4日の阪神7Rが11番人気2着、4月18日の阪神8Rが6番人気3着と、1400mに距離を短縮した途端、いい競馬が続いていますね。

小牧 うん、ホンマもんになったね。前走はね、何も遠慮しないで勝ちにいきました。その前の時計が速かったから、勝ち負けできる自信があった。確か5、6番人気やったよね? 勝てるチャンスがあるのに、なんでこんなに人気ないんかなぁと思ってたわ。

──そうなんですね。確かに外から持ったままで上がってきたときは、これは…と思いました。

小牧 うん、すごい手応えやった。まぁ早めに動いて勝ちにいったぶん、最後に止まってしまったね。あの馬は、ちょっとノドに弱いところがある馬でね。だから1400mになったのが良かったんやわ。早く動いたのもあったけど、この前もやっぱり少しノドの影響があって。それで坂で止まってしまったんやけど、もうちょっとジックリ乗ったら勝てそうやね。

──チャンス十分ですね。ちなみに、距離を短縮したのは小牧さんの進言ですか?

小牧 そうです。1800mで息切れしていたからね。ただ、いい馬だから、距離を短くすればもっとやれるんちゃうかと思ってた。思った以上に走り出したね。ホンマにチャンスあるで、この馬は。

──もう1頭、先週日曜日の京都7Rでは、ニホンピロヘイローで14番人気3着。最後は際どかったですね。

小牧 頑張ったねぇ。内枠だったら、もっと際どかったよ。

──8枠15番ですから、枠なりに外を通る展開に。走った距離を考えれば、確かに「内枠だったら…」と思わずにはいられません。

小牧 うん。でもまぁ、この馬の場合、力を出せるか出せないかは馬場やね。2走前は道悪やったでしょう。だから走れんかったんやと思う(12着)。あとは距離。いつも引っ掛かるくらいの行きっぷりやから、やっぱり1400mがベストや。ニホンピロはもう1頭、ニホンピロランドも楽しみやで。近々使うと思うけど。

──去年の夏の小倉で勝った馬ですよね?

小牧 そうそう。この前(4月11日阪神8R・13番人気7着)は行くところがなくなってしまったんやけど、スムーズだったら3着はあったと思うわ。あの馬は、1勝クラスでも十分通用するよ。ここにきて、勝てそうな馬がちょろちょろ出てきたね。なんとか結果を出して、早く900勝せな!

(文中敬称略)

太論

「早く900勝を達成せなアカンね!」

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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