▲63年ぶりに無敗二冠牝馬となったデアリングタクト。初日の13日には全妹が上場される
7/13(月)14(火)の2日間にわたって開催される、セレクトセール2020。初日の1歳馬セッションには240頭、翌日の当歳馬セッションには200頭が上場を予定しています。
第二のデアリングタクトはどの馬か!? 馬産地で上場予定馬の下見を重ねている須田鷹雄さんが、「これを知ればもっと面白くなる!」今年の見どころを、2日にわたってわかりやすく解説します。今回はセールに登場する注目馬を挙げていきます。
(文=須田鷹雄)
高額ではないものの、大注目は日高からの上場馬
セレクトセール2020のプレビュー、今回は高額落札が予想される馬をまずは展望していこう。
1歳セッションの最高価格はノーザンファームのディープインパクト牡馬が取るはず。シーヴの2019だろうと言われていたのだが、ここへ来て半姉(モンファボリ)が新馬勝ちしたフォエヴァーダーリングの2019も雰囲気が上がってきた。ディープインパクトの良さを残す一方でしっかりとしたボリュームと力強さがある。
ノーザンのディープ牡馬をビッドするような馬主さんはこのコラムを読んでいないだろうが、どちらかに決め打ちするのでなく、上場順通りにフォエヴァーダーリング→シーヴと競っていくのがよいのではないだろうか。
最高価格には絡まないにしても、社台ファームのディープインパクト牡馬ももちろん注目の存在。上が走っていて安心感のあるカンビーナの2019が高くなるのだろうが、半姉にラクレソニエールのいるアブソリュートレディの2019もデキでは負けていない。上場順が早いぶん、こちらで勝負をかける購買者もいると思うし、それも戦略としては間違っていないと思う。
キングカメハメハ産駒はヒストリックレディの2019が最高価格だろう。牝馬でそれに迫ってもおかしくないのが、1歳セッションの大トリを務めるマルシアーノの2019。見映えのする馬体で、歩きも柔らかい。
当歳セッションはディープインパクト産駒もキングカメハメハ産駒も居ないので意外なところから最高価格が出てくる可能性もあるが、ロードカナロア産駒の人気が一段落していることを考えると、芝で距離がもつタイプで実績もあるハーツクライが主役を務めそうだ。リザーブ価格からもそう予想するのが自然。
ノーザンファームはシーヴの2020が半兄とともにそれぞれのセッション最高価格を獲得するかもしれないが、個人的にはヒルダズパッションの2020と予想する。芝ダート双方のGIを制したYoshidaの全弟というだけでなく、しっかりした筋肉と全身を使いつつ軽さのある歩きが魅力的だ。
価格でどこまでノーザンファーム勢に迫れるかはともかく、血統的に大きな注目を集める馬は日高からの上場馬にもいる。
1歳セッションはなんといってもデアリングバードの2019だ