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ニホンピロランド待望の2勝目!「やっとあの馬の走りを見せられた!」

  • 2020年07月21日(火) 18時01分
先々週のセレッソフレイムに続き、2週連続の勝利! しかもパートナーは、ずっと「勝てる」と言い続けてきたニホンピロランドだけあって、小牧騎手の喜びもひとしおです。今回はじっくりとレースを振り返りながら、ニホンピロランドの強さと課題、将来性に迫ります!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

ゴール後、2着の川須騎手に…「ごっつぁんです!」


──2週連続の勝利、おめでとうございます! しかも、ずっと前から期待していて、「勝てる」と言い続けてきたニホンピロランドでの勝利。特別な思いがあるのでは?

小牧 うん。やっとね、あの馬の走りをみんなに見せられたなと思って。僕の言葉が嘘じゃないっていうことも証明できたしね。ホントはあれくらい走れる馬やねん。

──それにしても強かったです。

小牧 強かった! 1400mはちょっとしんどいかなぁと思ってたんやけどね。前がちょっと速くなって、流れがドンピシャで向いたわ。

──では、さっそくレースを振り返っていきたいんですけど、今回は最初からジックリ構えるプランで。

小牧 うん。1400mは長いと思っていたので、折り合い重視で乗っていこうと思ってた。隣の枠に北村友一くんがいたでしょう(ティートラップ・3番人気5着)。人気していたし、好位に行くやろうと思っていたから、その馬を見ながら競馬をしようと思ってたんやけど、北村くんの馬が思ったほど進んでいかなくて。結局は北村くんの後ろになったけどね。考えていたよりは後ろになった感じやな。

──レース後のコメントで、「前半の芝がよかった」とおっしゃっていましたよね。スタート後の芝部分でリズムをつかんだ感じですか?

小牧 いや、芝の走りがよかったわけではなくて、芝が苦手だから折り合いがついたんかなと思ったりしてた。

──なるほど! てっきり逆だと思ってました。芝の走りがよかったから、スムーズにリズムに乗れたのかと。

小牧 逆やで。リズムに乗れなかったから、折り合いがついたんですわ。いつもすごく行きっぷりがよくて、1000mのレースでも力んで走るような馬やけど、今回はスムーズやったやろ? つまり、芝が合わなかったのがよかったっていうことや。4コーナーで狭いところに入っていったときに、一瞬掛かり気味になったけどね。

──前が壁になるシーンがありましたね。でも、外に出すタイミングをじっくり計って。

小牧 うん。手応えは抜群だったからね。前が離れていたから「どうかな…」と思ったけど、追い出してからの勢いがすごかったから、これなら捕まえられると思った。内で粘っている川須を見ながら、シューっと先頭に立ちましたわ。

──あの脚は、小牧さんも予想以上だったのでは?

小牧 予想以上やったね。強かった。こんな脚が使えるんやと思ったよ。あのね、今回初めて手前を左に替えたんですわ。外に出すとき、ちょっと窮屈になったでしょう。そこで手前が替わって、勢いがついた。これまでも替えさせようとしてきたけど、なかなか難しくてね。追い切りでも替えへんねん。脚元に違和感があるから替えへんのかなぁと思ってたんやけど、今回、左手前であれだけ伸びたからね。

──以前から体質の弱さがあるとおっしゃってましたよね。

小牧 うん、歩様とかも含めて頑丈ではない。僕、最近よく調教に乗ってるんやけど、歩様に硬さがあるんですわ。

──2走前からは、毎週のように調教でコンタクトを取っています。やはり歩様を確認するためですか?

小牧 それもあるし、「追い切りでズブくなっている」って厩務員さんに聞いたから、自分で乗るようにしたんですわ。そうしたら、徐々に時計も出るようになって。勝ち負けできる馬やと思っていたから、何とかしたいと思ってね。 

──先ほどもお話に出ましたけど、2着は川須騎手のロードエクスプレス。ゴールしたあと、笑いながら何かお話されてましたね。

小牧 うん。「ごっつぁんです」って言うたんやわ(笑)。僕が「走る走る」言うてなかなか勝てへんかったから、厩舎のみんなも喜んでくれた。

──新馬戦は大敗、2戦目は5着でしたが、その時点で「次は絶対に勝てる」とおっしゃって、言葉通りに3戦目を勝利。どのあたりに能力を感じてらしたのか、ファンが一番知りたいのもそこかなと思うのですが。

小牧 なんせ行きっぷりがいいし、それでいて終いもいい脚が使える。「走るな」と思ったのは、そのあたりやね。乗り味自体は、さっきも言ったけどちょっと歩様に硬さがあるから、それほどいいっていうわけではない。まぁ返し馬やレースに行けば、歩様の硬さは気にならんし、いい走りをしてくれるけどね。

──今回の勝利は勝ちっぷりも優秀なら、良馬場で1分23秒9と時計も優秀。あと1つ2つ、積み上げていけそうな手応えはありますか?

小牧 あの脚が使えれば、いいところまでいけるんちゃうかな。そのためにも、もうちょっと体質が強くなってほしいね。そうすれば上を狙っていけると思う。とにかく今回は、乗っていてホンマに気持ちがよかった。

──さて、今週からは新潟、札幌の2場開催。どういうスケジュールになりますか?

小牧 関西馬は権利持ちしか入らんみたいやから、この3週間はちょっと大変やね。まぁポツンポツンと権利持ちがいるみたいやから、それに合わせて新潟に行く感じ。1頭、2頭かもしれんけど、頑張ってきますわ。今週は今のところ、土曜日(9R・燕特別)のラデツキーだけやね。来週はこの前3着したコパノマーキュリーで行く予定です。

──2週連続の勝利と、いいリズムに入ってきましたね。900勝まであと3勝です。

小牧 そうやね。でも、お客さんがいるときに達成したいなぁ。だから、お客さんが入るまではボチボチ…。

──ボチボチなんてダメですよ! 連続勝利を狙いにいってください。

小牧 わかりました(苦笑)。今週も勝てるように頑張ります! 
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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