重賞初挑戦でタイトルを手にしたジョーカナチャン(提供:デイリースポーツ)
新潟直線1000mで行われたアイビスサマーダッシュは2番人気の5歳牝馬、ジョーカナチャンが勝利! 初めての重賞挑戦で初の重賞タイトルを手にしました! コンビを組んだ菱田裕二騎手も1年7ヶ月ぶりとなる久々の重賞勝利。レース後「自信を持って乗りました」とのコメント通り、今回の騎乗ぶりをとてもよかったと振り返った哲三氏。一見単調にみえる千直ですが、勝利へとつながった駆け引きがあったようで…。今回は夏の風物詩、アイビスサマーダッシュを振り返ります。
(構成=赤見千尋)
リカバリーできない千直で大事なこと
新潟1000mで行われたアイビスサマーダッシュは、2番人気だったジョーカナチャンが逃げ切り勝ち。前走の韋駄天ステークスでアタマ差負けたライオンボスを抑えての勝利でした。
馬自身の走りはもちろん、鞍上の菱田(裕二)君の騎乗ぶりもとても良かったですね。まずスタートしてから徐々に外に進路を取って、ライオンボスの前に入ったところ。その入り方が絶妙で「上手いな」と感じました。相手がしっかりブレーキングをかけるような感じではなく、自然と引かざるを得ない入り方で、あそこの駆け引きが最後のアタマ差に繋がったのではないかと思います。
相手がしっかり手綱を引いてブレーキングを掛けるように前に入ると、自分の馬にも負担が掛かる場合があるし、相手もガツッとハミを取って、逆に頑張ってしまうこともあります。コーナーがあるコースでは、そういう入り方が有効な場合もありますが、千直では今回のような自然な入り方が出来ると、自分自身により余裕が出来ると思っていて。
それに、フワッと入ってくると、相手にとってもそれほど負担にはならないので、「巻き返せる」と思わせることが出来るんです。