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【神戸新聞杯】“福永マニア”が徹底解説! コントレイルの強さを引き出す好騎乗

  • 2020年10月01日(木) 18時00分
哲三の眼

1番人気コントレイルが、秋の始動戦も快勝!(提供:デイリースポーツ)


菊花賞トライアル、神戸新聞杯は1番人気コントレイルが勝利。無敗の3冠馬達成へ、好スタートを決めました。コントレイルの圧倒的な強さはもちろんですが、パートナーの福永祐一騎手の騎乗も素晴らしかったと哲三氏。馬にとって負担がかかりすぎない騎乗だったのでは、と振り返りました。自らを「福永マニア」と称する哲三氏。“ジョッキーになって、今が一番楽しいのでは?”と福永騎手に感じているそうで…!

(構成=赤見千尋)

競馬を教えて、教えられて…いいパートナーだなと


 中京競馬場で行われた神戸新聞杯は、圧倒的1番人気に支持されたコントレイルが強い競馬で勝利しました。強い馬が強いレースで勝って、当然だと感じる方も多いかもしれません。でも力差がはっきりしている上に、中京2200mのフルゲートというのは、騎乗するジョッキーにとってはとても大変だなと。コントレイルは強いけれど、それだけではなく、(福永)祐一君の騎乗の方向性も素晴らしかったと思います。

 今の祐一君のレースは、「こういうレースをしたいな」と僕が思っていたようなレースをしてくれることが多いんです。もちろんまったく同じではないけれど、感性というか方向性は同じだと思っていて、見ていてすごく楽しいんですよね。

 3年前くらいから騎乗についてチェンジしようと、いろいろ試行錯誤をしていることは感じていました。こういう風にしたいんだろうなということが見えていましたが、今はそれが掴めたのではないかと。

 今回の神戸新聞杯でも、しっかり考えがまとまっている。コントレイルに騎乗する際において、中京競馬場の馬場状態や、馬に乗る時の考えもしっかりまとまっているなと思いました。

 具体的にレースを振り返ると、スタートを切って少しバランスを崩しかけたんですけど、すぐに立て直して、自分の通りたい場所を選択していました。前の馬にくっつき過ぎたら嫌だなと思っていたら、しっかり自分の完歩で収めながら、前の馬に2馬身くらい距離を置くことが出来て、進路を確保できたことがファインプレー。最初の12秒くらいから13、14、15、16秒のところで「勝ったな」と。少なくともこれで前が詰まることはないなと感じました。

 その進路の取り方に加え、この馬にどういう風に乗ったらいいか、自分の乗り方の修正点、こういう風にしたらスピードコントロールできるなとか、普段から考えていないと出来ない騎乗だなと。その場その場では出来ない騎乗だと思います。

 コントレイルの能力を考えれば、前半もっと引っ張ってスピードを落とし、末脚に懸けるレースをしたくなるジョッキーもいると思います。

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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