中心はやはり3歳馬カフェファラオか
かつては、世代交代の進んだ時期の12月に行われ、毎年のように3歳馬が勝っていた(3歳の出走頭数も多かった)。この季節に移った2001年以降、3歳馬の挑戦が少なくなると同時に好走馬も減っている。最近10年、「5歳42頭、6歳39頭、7歳上27頭、4歳21頭」の出走に対し、3歳馬は10頭【2-1-0-7】に過ぎない。
だが、2018年にオメガパフューム、2013年にケイアイレオーネが軽斤量を生かして勝ち、2015年にはダノンリバティが2着。連対率(好走率)というなら、3歳馬が断然トップ。まして今年は最近10年では最多の3頭が出走する。評価を下げる必要はない。ダート界の世代交代もだんだん早くなっている。
人気のジャパンダートダービー(GI格)を7着に凡走したカフェファラオは、レース序盤でつまずきリズムを崩した。初のナイター、パワー勝負の公営のダートも苦にしている。だが、今回は2戦2勝のJRAの左回りのダート。ユニコーンS1600mを史上初めて1分34秒台で独走した能力を見直したい。前半1000m通過58秒4のきつい流れを早めに2番手に上がって追走し、先頭に立った自身の後半2ハロンは「12秒2-12秒2」。いっぱいの内容ではなかった。
2015年の米3冠馬の父アメリカンファラオ(G1・8勝)の競走成績は、2-3歳時。その父パイオニアオブザナイルの競走成績も、その父エンパイアメーカーの競走期間も同じ。
カフェファラオは、母の父モアザンレディまで同様の成績だが、これは競走体系の違いと、有利な年齢で種牡馬入りしたためで、早熟性とは異なる。
無敗(あるいは無敗に近い)チャンピオンは、芝では数多く存在するが、日本のダートで連戦連勝のチャンピオンはいないに等しい。強い相手と対決し、負けて強くなりつつ成長するのがダート界のエースになる。幸いハンデ戦なので、抜けた力量を誇る古馬のトップクラスは不在。3歳カフェファラオの上昇に注目したい。
同じく、3歳ダイメイコリーダ(父エスケンデレヤ)はジャパンダートダービーで失速したカフェファラオに大きく先着の2着。同型の強力な逃げ=先行タイプは多くなく、この距離はスローになるケースが多い。母ミラクルフラッグ(父スパイキュールはダート7戦7勝)は、ゴールドシップの2歳上の半姉。簡単には失速しないパワーを持っている。
状態の良さが光る5歳グレートタイム(父キングカメハメハ)と3頭の組み合わせを中心に考えたい。グレートタイムの母ミラクルレジェンド(全12勝がダート)は、東京大賞典などダート10勝のローマンレジェンドの4分の3同血の半姉。ようやく順調さを取り戻したグレートタイムも、このファミリーらしくまだまだパワーアップする。連穴にビシッと追えたダイシンインディー(父ゴールドアリュール)。