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【原優介騎手】「皆さんの信頼を得られるような騎乗を!」新人騎手紹介(3)

  • 2020年11月04日(水) 18時02分
ノンフィクション

美浦・小桧山悟厩舎所属の原優介騎手(撮影:藤井真俊)


無観客開催という異例の事態でのデビューとなった4人の新人騎手。本来ならば、大歓声の中でのデビューを迎えるはずでしたが…。限定的ではあるものの、競馬場への入場が再開され、ファンの前で騎乗ができたのはつい最近のこと。ということで…遅くなってしまいましたが、今年デビューの新人騎手を4日連続でご紹介します。本日ご紹介するのは、原優介騎手(美浦)です!

(取材・文=東京スポーツ・藤井真俊)


――10月10日からJRAの競馬場にも、限定的ながらお客さんの入場が再開しました。原騎手たち36期生にとっては初めての有観客競馬となりましたが、無観客と比べて変化は感じましたか?

 正直、あまり感じませんでした。パドックでは「ああ、お客さんが入っているな」と思いましたが、それによって馬がイレ込んだりすることもなかったですし。馬場の近くにはまだお客さんがいらっしゃらないので、返し馬やレースでも変化は感じなかったですね。もっと人数が増えて、歓声が聞こえたりしたら違うと思うんですが。きっとそうなったら「燃える」と思うんですけどね(笑)。

――ではお客さんからの“ヤジ”も未経験ですね(笑)。

 そうですね(笑)。でも“ヤジ”を疑似体験はしてますよ。僕はレースで下手に乗ってしまったな…と思う時は、netkeibaさんの掲示板をよく見るんです。そうすると色々と批判の声が載ってたりするんですよね。でも時には厩舎関係者の方に指摘されたことと、同じようなことが書いてあることがあるんです。そういう時は「なるほどな」と思いますね。

――わざわざ自分の悪口を見に行くんですか!

 はい。厩舎の方によっては、ジョッキーに気をつかって何もおっしゃらないケースもあるんですよね。そういう時は掲示板を見て、自分が思う反省点と重なる時は「そうだよな〜」って。勉強させてもらってます。

――競馬に対して、デビュー前とデビュー後で最も大きかったギャップは何ですか?

 馬とのコンタクトですね。調教と競馬では全く違うことを知りました。調教では強めのコンタクトで馬を抑えていても、そのまま最後まで問題なく走り切れるのですが、同じようなコンタクトで競馬に行くと、ものすごく消耗が激しいんです。ペースや距離の問題ではなく、調教と競馬の本質的な違いですよね。力で馬を抑えるのでなく、いかにソフトなコンタクトで馬をコントロールできるのかが大切なのだと知りました。

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デビュー前と後で最も大きかったギャップは“馬とのコンタクト”(C)JRA


――そういう中でデビュー時の自分と、今の自分を比較して変化は感じますか?

 まだ周りの先輩方に気を使ってもらって、迷惑をかけながらではあるんですが、段々と周りが見えるようになってきたのかなとは思います。本当にここ最近で、それこそ10月上旬あたりからなんですけど、どこに誰がいるのかとか、周りの馬がどういう動きをしそうかとか、見えるようになってきました。これまで200鞍以上乗せて頂いて、本当に少しずつ…なんですけど。

――会心のレースはありますか?

 タイキダイヤモンドで勝った4月5日の中山の古馬2勝クラスです。

――ご自身のJRA初勝利となったレースですね。

 あの時はデビューしてちょうど1か月くらいでしたが、

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