▲親子でGI初タッグ!斎藤誠調教師(左)と斎藤新騎手 (C)netkeiba.com
エリザベス女王杯で斎藤誠調教師・斎藤新騎手親子がGI初コンビを組みます。出走するのはウラヌスチャーム。前走・新潟牝馬Sでは向正面で馬場の荒れた最内からマクって一気に先頭に立つと、直線も脚色衰えず7馬身差の完勝でした。
美浦で開業する父・誠調教師と、栗東所属の息子・新騎手。それぞれに話を聞くと、見え隠れする親心や、大人になった息子の思い、勝負師として成し遂げたいことがありました。
(取材・構成:大恵陽子)
※お忙しい中、電話取材にご協力いただき、この場を借りて改めてお礼申し上げます。
斎藤誠調教師「なるべく若手にチャンスを与えたい」
――前走の新潟牝馬Sは向正面からハナに立っての押し切り勝ち、それも7馬身差とインパクトのあるレースでした。
斎藤誠調教師(以下、斎藤師) コース形態は違いますけれども、エリザベス女王杯と同じ2200mで、長距離の方が得意な子なので挑戦させてもらいました。馬場が悪くて内側を空けてみんなが走っているのは分かっていて、インコースから馬群をスルスルと伸びているなとは見ていたんですけど、お父さんのノリさん(横山典弘騎手)が乗った時に東京で逃げて勝っているものですから、(横山)武史も「やることが似ているな」と思いました。それがゴール後のガッツポーズにつながるわけですね。
メンバー的にもこの子の力が出せればいい勝負になるなとは思っていたんですけど、7馬身離しましたし、一番いい形でいいところを引き出してくれた武史の好騎乗かなと思います。
――「いいところを引き出した」とのことですが、横山典弘騎手が騎乗した今年5月、東京でのメトロポリタンSも前走も、先頭に立つタイミングは違うものの、押し切る形でした。
斎藤師 スタートから1Fくらいの初速は遅いんです。ノリさんが逃げた時は、みんながお見合いして行きたくないところを押して行ってくれました。ああいう競馬もできなくもないけど、初速が遅いので「無理でしょう」という話を武史としていました。
「前半はじっとして、ペースが落ち着いたところでマクっていくとか、自分のペースでスパートする」って作戦だったんです。シュっとしたキレ味はないんですけど、長くいい脚を使えて、ステイヤーの力強さがある馬なんです。
――どこからスピードに乗せていくか、というのがポイントになるんですね。