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「迷った…」試金石と位置付けたニホンピロマリブの黄菊賞回顧

  • 2020年11月17日(火) 18時01分
ニホンピロマリブにとって、試金石と位置付けた黄菊賞でしたが、結果は勝ったアドマイヤザーゲからコンマ1秒差の4着。僅差であり、終いも互角の脚を見せただけに、小牧騎手からも悔しさが滲みます。初戦からの変化や、「迷った」という直線の進路取りなど、勝負のなかでの葛藤を語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

迷いながらも、一瞬のうちにいろんなことを考えて…


──黄菊賞のニホンピロマリブは4着。見応え十分でしたが、直線で進路を探すシーンがあり、小牧さんにとっては悔しいレースだったのでは?

小牧 そうやねぇ。直線に入ったときに内に突っ込んでいれば、もっともっと際どかったのは確かやね。ただ、同じような場面で内に突っ込んで、落とされたことがあったやろ? それで大ケガをして。

──ああ、2018年の6月ですね。肋骨を何本も折って。

小牧 うん。迷ったんやけど、あのときと同じような感じやったから。もうちょっと開いていたら迷わず突っ込んで行ったけど、強引に行けば自分が落ちることもそうやし、相手を落としてしまう可能性もあって、それだけは避けなアカンから。迷いながらも、一瞬のうちにいろんなことを考えたわ。ただ、あとからレースを見ると、結果論として、あそこで突っ込んでいれば結果は違っていたかも…とは思った。

──試金石とおっしゃっていた一戦でしたが、勝ち馬とはコンマ1秒差ですし、決め手でもまったく引けを取っていませんでした。結果は本当に残念ではありますが、手応えを得たところもあるのでは?

小牧 そうやね。だからこそ悔しい。内をあきらめて切り替えたあとも、「開いた!」と思ったらまた狭くなって。まぁそういうのも含めて競馬やし、それこそ勝負やからね。本当はもっとジックリ行くつもりやってん。スタートのタイムが一番遅かったから、ケツからになるんかなと思ってた。でも、いざゲートが開いたら、なんのなんの。むちゃくちゃ速かった(苦笑)。だから、そのままハナに行かせる選択もあったけど、そこで行かせてしまったら、次からもガーッと行く馬になってしまうんでね。

──今後を考えると慎重になる場面ですよね。

小牧 うん。やっぱり2走目は読み切れんところがあるわ。でも、楽しみやね、ホントに。こんなに楽しみなのは久しぶりかもしれん。だからこそ、競馬を教えていかなアカンね。

──スタート以外に、初戦からの変化はありましたか?

小牧 最初だけちょっと掛かったね。あんなに行きたがるとは思わんかった。2コーナーからは落ち着いたけど、初戦とは全然違ったわ。

──それは、いい変化と捉えていいんですよね?

小牧 いいでしょうね。気持ちが前向きになったわけやから。ただ、返し馬からちょっとイレ込んでいたし、ゲート裏でも嫌がるような仕草を見せて。やっぱりジャングルポケットやね。ちょっと心配なところではあるけれど、そのあたりも含めていろいろ教えていきたいね。

──続いてはキーフラッシュについて。先週使うのかと思ったら…。

小牧 除外になってしまって。まさか除外になるとは思わんかった。何かの順番で弾かれてしまったみたい。だから今週、東京に行くよ。

──23日の晩秋S(東京10R・ダ2100m)に登録していますね。

小牧 そうそう。勝ち負けの馬やからね、ここは1頭でも行くしかないでしょう。

──ちょっと調べたら、東京参戦は3年ぶりです。

小牧 そうなんや(笑)。最後に行ったのは……

──2017年のサウジアラビアRCの日です。

小牧 ああ、騎乗停止をもらったボウルズか。そんなに行ってないんや。久々の東京やし、なんとかいいところを見せたいね。

──では最後に、ユーザーからの質問をひとつ。「小牧騎手はよく温泉に行っていますよね。汗取りを兼ねてかと思いますが、実際に温泉でここが治ったとか、汗取り以外に感じる効果はありますか? また、温泉効果でお肌はいつもツルツルですか?」

小牧 お肌はツルツルやで(笑)。温泉のおかげもあるやろうけど、汗取りばっかりしていると毛穴もきれいになるやろうから、その効果もあるんちゃう?

──美意識高め(笑)。

小牧 はい(笑)。真面目な話をすると、筋肉痛とかは治りが早いね。温めるのがいいのかもしれんし、あとはそれこそ温泉の成分も関係あるんちゃうかな。ここで何度も紹介している榊原温泉は、筋肉痛にもいいし、打撲とかにもいいよ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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