追い切り本数も負荷も十分で、本領発揮に期待の一頭は?
先週末にジャパンCの特別登録が行われました。正式に三冠馬の3頭が登録して、外国馬を含めると17頭の登録ということになります。なんといっても興味深いのは無敗の三冠馬2頭の対決。同着にならないかぎりはどちらかが負けてしまうわけで「どっちが勝つ論争」をするだけでもファンにとってはたまらない時間になりそうです。
調教的な部分でいえば、2週前の週末に時計を出すことが重要なのがジャパンC。ゆえに11月14日、15日にどの程度の追い切りを行うか注目していました。特にコントレイルは帰厩した最初の週末になりますから、追い切りの有無というところもポイントでしたが、さすがは無敗。順調にしっかりとした負荷をかけられています。
今週の1週前追い切りも含め、まだ10日ほど悩む時間はありますが、本当にワクワクが止まりませんね。無敗対決、三冠対決の実現に向けた登録を行ってくださった関係者の皆様には本当に感謝したいと思います。
【マイルCS/インディチャンプ】
今秋はスプリンターズSからの始動予定でしたが、筋肉痛で回避。一度放牧へ出ていますが、追い切り本数としては決して少ないわけではなく、10月末には栗東で時計を出し始めることができています。中間にCWでの追い切りを消化。これはデビュー以来、初めてのことになりますが、坂路の馬場状態を考慮しているというのが音無秀孝調教師の説明です。
1週前追い切りはいつも通り、坂路での併せ馬。武蔵野Sを勝ったサンライズノヴァを子供扱いにするあたり、やっぱりこの馬の追い切りでの動きは半端ない感じ。最終追い切りは時計しか確認できていませんが、2F24.6秒、1F12.2秒で終いしっかりした動きだった様子。あとは休み明けということになりますが、2019年マイラーズC4着時なんかと比較すると今回の方が動いている印象です。
【マイルCS/レシステンシア】
秋華賞への出走予定もあったようですが、前走後に骨折が判明したこともあってか、ここまでゆとりを持った調整を選択しました。その分というか、週を追うごとに時計を詰めていく感じで、2週前追い切りが坂路で4F50.3秒と速い全体時計。そして、1週前追い切りは坂路で2F23.5秒。えげつなく速い時計ですが、この源になっているのが馬体。
1週前の立ち写真を確認しましたが、前も後も素晴らしいボリューム。前後が大きく見えることで、真ん中の腹回りがすっきり。それでも馬体重は松下武士調教師に電話取材で伺った数字だと510キロは超えています。走るために必要な筋力が増えた今なら、休み明けや強いメンバーといった過酷な条件でも、と思います。
【マイルCS/アドマイヤマーズ】
前走時のウマい馬券のコラムにも書きましたが、今のアドマイヤマーズはスピードの出る馬場に対応できる、軽快さのある馬体や走りに変化していると思います。前走のスワンSについてはできれば勝って欲しかったというのが個人的な意見ですが、斤量を含めて、敗因を求めることができるレースであったことも事実。
そこから、どのくらいの上昇があるのか。中2週のローテーションはNHKマイルCを勝った時と同じ。当時は4本の追い切りで今回も同じ4本。1本ずつの負荷に関しては今回の方が強いくらいで、これは前日輸送か当日輸送の違いもあるでしょう。最終追い切りはデイリー杯2歳Sを勝った時と同じCW。その動きはまるでレースをイメージさせてくれるような内容でしたし、やっぱりこの距離で本領発揮ではないでしょうか。

レースをイメージさせるような動きを見せたアドマイヤマーズ
【マイルCS/ラウダシオン】
前走時は1週前追い切りで速いCW6F時計を出し、最終追い切りは遅いCW6F時計。いかにもトライアルという内容でしたが、それでも2着と結果を出したあたりがマイルなら古馬相手でも通用するところを見せたという感じがします。
今回はCWでの1週前追い切りに武豊騎手が騎乗。その動きは素晴らしかったと思いますし、団野大成騎手が跨った最終追い切りも素晴らしい内容。最終追いは6F82.8秒でしたが、3頭併せを一番後ろから追いかけるという負荷でした。今回は当日輸送のレースになるということで、追い切りが強化されたのかも知れませんが、それに伴って、動きもすごく良くなったという印象です。

追い切りが強化されたのか動きが良化しているラウダシオン(写真右)
【東スポ杯2歳S/ダノンザキッド】
デビュー前から安田隆行調教師の評価が高い馬ではありましたが、それは素質の話で完成度としてはまだ。そのあたりは手前の替え方などにあったようですが、レースでもそんな一面を見せており、それでも完勝したあたりがやっぱり素質なのでしょう。
前走時はCWでの追い切りは1本でしたが、今回は2週前追い切り、1週前追い切りをCWで行い、11月8日の週末もCW。この週末追い切りは左回りになりますから、ここで時計を出したことも大きな意味を持つはずです。1週前追いには川田将雅騎手が跨って感触を確かめていますし、調教内容としては文句なし。あとはどんなパフォーマンスを見せてくれるかでしょう。

文句なしの調教を披露しており本番でのパフォーマンスに期待のダノンザキッド(写真中央、10月28日撮影)
◆次走要注意
・11/14 オキザリス賞【ケイサンフリーゼ】(5人7着)
デビュー戦が追い切り本数の少ない調教内容でも勝っていただけに、今回も同じ標準少なめ坂路で大丈夫と思って本命にしましたが、さすがに最後の直線で失速。馬体重が増えていたことを考えると、もっと攻める調教でも良いのかも知れません。レースセンスがある馬だけに、次走しっかり調教を課してきて狙っていたいと思います。
[メモ登録用コメント] [ダート]追い切り本数がローテーションと同等なら勝ち負け。
◆開催おすすめの調教適性
<阪神芝1400m>
◎最終追い切りが栗東坂路で4F目最速ラップ
◎最終追い切りが栗東坂路で4F52.0秒以下
◎最終追い切りが栗東坂路で2F25.0秒以下
時計の速い阪神芝ですが、やっぱりこの条件は栗東坂路。3つ目の◎は今開催で顕著に好走している傾向で、11月14日の12Rで7番人気2着したメイショウドウドウがこれに該当していました。
ここに付け加えるとすれば、スピードの持続力も必要という意味で追い切り本数も重要。できれば、ローテーションと同等の本数くらいの量はあった方がよいでしょう。
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