狙いの中心は上昇志向あふれる3・4歳馬
ハンデ戦のオープン特別(Lレース)。ここをなんとか復活の足がかりにしたいクラージュゲリエ(2019年の日本ダービー6着のあと長期ブランクをはさみ、この秋1戦し10着)、ブレイキングドーン(2019年のラジオNIKKEI賞1着のあと長く休み、この秋1戦し18着)が出走する。
一方、3歳アドマイヤビルゴは、スタートが遅れたためまだキャリア4戦3勝の新星。確実に賞金を加算し、早く重賞戦線に加わりたい。6歳アメリカズカップは、過去2年、このレース3着、7着。強敵の少ないここで順調の強みをフルに生かしたい。テーマの異なる馬が多いが、狙いの中心は上昇志向あふれる3〜4歳馬だろう。
4歳牝馬カセドラルベル(父ハーツクライ)に注目。前走は、2勝クラス、3勝クラスを連勝した勢いに乗って初の重賞挑戦が、別定のGII京都大賞典。京都コースも、距離2400mも初めてだった。
もちろん、いきなり常連の牡馬相手に勝ち負けできるほど甘くなかったが、ダンビュライト(GII2勝。皐月賞3着)の作った前後半1200m「1分12秒9-1分12秒7」=2分25秒6の流れを積極的に2番手で追走。最後の追い比べで10着に沈んだものの、勝ったグローリーヴェイズ(G1・1勝、GII2勝)との差は0秒7。5着だったステイフーリッシュ(中距離重賞の常連)とはわずか0秒3差だった。
オープンで通用のメドは立った。今度はハンデ戦で1キロ減の53キロ。全連対6回が2000-2200mなので、前走より400mの短縮もプラス。全兄ベルラップは、2000mの京都2歳Sを勝ったあと、未完成のうちにクラシック挑戦が裏目に出た形で大成できなかったが、カセドラルベルは2-3歳時に5戦(2勝)しただけ。いまちょうど成長カーブに乗っているところだろう。中間も入念に乗り込んできた。
当面の相手は3歳の注目馬アドマイヤビルゴだが、同馬は格上がりでもあり、機動力が求められる阪神内回り2000mなら差はない。同じ4歳馬では、初めて阪神に遠征する伏兵コスモカレンドゥラ(父ノヴェリスト)が侮れない。
2走前に1800mを勝ってオープンに出世しているが、先行してしぶとく抜け出そうとする脚質は2000m【2-0-2-1】のほうがずっと合っている。阪神内回りで一変がありえる。