【マイルCS予想】高速馬場を味方につけマイルの女王へ
好枠からスピード能力を活かす競馬を期待
史上初めて阪神で行われるマイルCS。例年の9月開催に使用されていない阪神の芝は高速コンディション。先週のエリザベス女王杯2200mはコースレコードと0秒2差の2分10秒3だった。驚いたのは、外回り芝1600mのデイリー杯2歳S。少頭数で落ち着いた流れなのに1分32秒4(46秒6-45秒8)の2歳コースレコードだった。苦もなくレシステンシアが昨2019年の阪神JFでマークしたコースレコード1分32秒7(45秒5-47秒2)が更新されたのである。
マイルCSは、ふつうのペースで流れても、古馬のコースレコード1分31秒9が塗り替えられる可能性が高い。阪神1600mは総合力を求められるマイル戦だが、今年はスピード能力の優劣が最大のポイントになる。
人気のグランアレグリア(父ディープインパクト)は、桜花賞を1分32秒7のレースレコードで勝っている。それも前後半「47秒7-45秒0」。とてもレコードになどなりそうもないスローバランスを追走し、上がり33秒3でまとめてのレコードだった。だから、1400mの阪神Cもレースレコード1分19秒4で5馬身差の圧勝となった。ちょっと距離が短いのではないかと思われたスプリンターズS1200mも、前半行けずに自身は「34秒7-33秒6」。1200mらしくないバランスになりながら、追い込んで2馬身も突き抜けている。高速決着こそ歓迎、望むところだろう。
総合スピード能力が問われて有利なのは、2歳2戦目の東京1600mを1分32秒7の2歳コースレコードで快勝し、阪神1600mの朝日杯FSも圧勝、今季は1800mの毎日王冠を3歳馬ながら1分45秒5で完勝しているサリオス(父ハーツクライ)であることは当然だが、高速馬場となって評価急上昇は、行くしかない内枠を引いた3歳牝馬レシステンシア(父ダイワメジャー)。
4走前の阪神JFを、現コースの(先週までの)2歳レコード1分32秒7で、内の4番枠から5馬身差の独走を決めている。その際の前半の半マイル「45秒5」、1000m通過「57秒5」は、現在のコースになって14回、レース史上最速の猛ペースだった。
そのときの北村友一騎手とは(2-0-1-0)。コンビ3戦目のチューリップ賞は、桜花賞を見すえた陣営の作戦もあったのだろう、1000m通過59秒3のスローで引きつけて逃げ、大失敗の3着だった経緯がある。自身「47秒1-(59秒3)-46秒4」=1分33秒5だった。
北村友一騎手は11月28日から12月6日まで騎乗停止。発憤する騎手なので、ここはレシステンシアの最大長所のスピード能力全開に出る可能性が高い。
阪神JFと同じハイペースもありえる。同タイプの快速馬は見当たらない。後続の出方しだいでは、逃げ切り(粘り)もある。阪神JFと同様のペース再現なら、デキも良くパワーアップの現在、時計は確実に短縮できる。
予測されるこういう展開(流れ)を読んで、追走して抜け出そう、あるいは流れ込みを狙うはずの候補は、武豊騎手のラウダシオン(父リアルインパクト)がその筆頭。