【東京スポーツ杯2歳S】スケール、将来性を重視したい一戦
半兄よりもスケールが勝るダノンザキッド
出走馬の中から、最近数年だけでもコントレイル、ワグネリアン、スワーヴリチャード、レインボーライン、サトノクラウン、イスラボニータ、サトノアラジン、ワンアンドオンリー…など、のちのGI馬を輩出する価値ある重賞。GIIに昇格か…ともされる。
完成度の高さが求められる初期の2歳重賞と異なり、スケール、将来性を重視したい。光るレース内容をみせた馬は、のちの重賞でカギを握る馬になる。
ダノンザキッド(父ジャスタウェイ)は、決して完成度の高い馬ではないが、6月の阪神1800m(稍重)の新馬を楽勝したレースが光った。1番人気ではなかったが、超スローも珍しくない1800mの新馬で、前半1000m通過60秒8の流れを好位でスムーズに追走し、残り200m手前で楽に先頭に立つと、最後は流すように上がり34秒7。スケールで圧倒の勝ち方だった。
3馬身の差をつけた2着ワンダフルタウンは、2戦目に新潟とはいえ同じ1800mをコースレコードの1分46秒5で8馬身差の圧勝。3戦目には萩ステークスを太めの馬体で少差3着している(今回出走のジュンブルースカイが2着)。新馬戦で5馬身の差をつけた3着テンバーも2戦目の未勝利を勝っているから、初戦のレースレベルは高かった。
スケールあふれるフットワークから、東京スポーツ杯に狙いを定めたのも納得。2019年のシンザン記念を3戦目に3着した現4歳ミッキーブリランテ(父ディープブリランテ)の下だが、スケールは完全に一枚上だろう。牝系から距離は2000-2400m級までは大丈夫と思える。
相手は難しいが、11月20日終了現在の全国2歳種牡馬ランキングは、
1位ディープインパクト
2位モーリス
3位ドゥラメンテ
4位エピファネイア
5位キズナ
この中で、東スポ杯2歳Sには、ディープインパクト、モーリス、エピファネイア、キズナの産駒は不在なのに、新種牡馬ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)の産駒だけが、集中するように4頭出走してきた。ドゥラメンテは、母の父サンデーサイレンス。祖母エアグルーヴ、その父トニービン。3代母の父ノーザンテースト。近年の日本の主流血脈凝縮の配合であり、前出のジュンブルースカイはサンデーサイレンスの「3×3」になる。
しかし、実際にはドゥラメンテ産駒にはクロスの多い煮詰まった配合型の馬は多くない。サンデーのクロスが圧倒的に多いエピファネイアなどとは大きく異なる。
新種牡馬ドゥラメンテの産駒だけが4頭も顔を揃えたところは興味深い。変わらずに多頭数交配の続くドゥラメンテの産駒の、多様性に満ちたさまざまな特徴に強くなる必要がありそうだ。使って一変のタイトルホルダー、勝負強い切れを秘めると思えるドゥラヴェルデ本線に、前出のジュンブルースカイ、東京を2戦しているレインフロムヘヴン。そしてドゥラメンテの父キングカメハメハ産駒プラチナトレジャー。甲乙つけがたいので相手は5頭にしたい。