「弱い世代」にもJC勝ち馬及び活躍馬は存在する
今週のJCは3歳の牡牝三冠馬に一昨年の牝馬三冠馬アーモンドアイが加わり、他にGI馬5頭(登録6頭)、GIの2、3着歴がある馬5頭という豪華メンバーで争われる。
3歳のスター2頭が揃ったことで、よく言われるのが「世代のレベル」だ。マイルCSでサリオスが負けた直後なので、なおのこと気にする人がいるかもしれない。
そもそも、世代のレベル差というのはどれくらいあるものなのか、調べてみた。
まずは「芝1800m以上の別定or定量GIIと芝2000m以上古馬GI(それぞれ牝馬限定戦を除く)」における成績(カク地カク外は除く)。GIIを入れたのは対象レース数を増やすためである。
グレード制が導入された年に生まれた1984年産世代以降を対象にすると、当該条件で勝率が低いのは2005年産、2010年産、1992年産、2006年産、2001年産の順。複勝率だと2006年産、2010年産、1997年産、2013年産、2005年産となる。平均出走頭数の影響もあるが、こればかりは仕方ない。
これらが「弱い世代」ということになるが、2005年産はディープスカイが3歳時にJCで2着、2006年産にはブエナビスタがおり、2010年産にはエピファネイアがいて3歳時にはデニムアンドルビーがJC2着している。1992年産はなんとJCにのべ2頭しか出走しておらず(当時はカク外が強い時代でもある)、1997年産はJCで[1-0-0-9]だがタップダンスシチーが勝っている。2001年産は[0-2-1-9]、2013年産は[0-0-0-13]で2013年産だけはJCで全く通用していないが、そのような数十世代に一度レベルのことが、今年の3歳馬で再び起きうるだろうか。
その2013年産も古馬中長距離GIを最終的には3勝している。古馬芝中長距離GIを勝てなかった世代というのはグレード制導入以降無く、かなりレベルが低いと体感していた1986年産でもオサイチジョージが、前出の2005年産もアーネストリーが宝塚記念を勝っている。
ちなみにJCで全く馬券に絡まなかったのは前出の2013年産以外に1994年、1992年、1987年、1986年の各年産があるが、20世紀については外国馬が強かったせいもある。
いずれ今年の3歳世代もJCで馬券になると考えた場合、それが「今年である」「今回参加の2頭である」という可能性を、わざわざ排除する必要は無いのではと思う。