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東西で芝ダート不問のパワー型が台頭

  • 2021年02月01日(月) 18時00分

先週の血統ピックアップ


・1/31 根岸S(GIII・東京・ダ1400m)
 中団を追走したレッドルゼルが馬群を縫って抜け出し、ワンダーリーデルの追撃をアタマ差抑えて1番人気に応えました。

 父ロードカナロアはこのレースを含めてJRAで重賞を36勝していますが、ダートは初めてです。母フレンチノワールはデピュティミニスターとフジキセキのニックスから成り、現役時代にダートで4勝を挙げました。母の父フレンチデピュティはパワー型です。

 母方にヌレイエフとサンデーサイレンスを併せ持つロードカナロア産駒は、年度代表馬アーモンドアイをはじめ大成功しています。

 本馬はアーモンドアイとは違い、血の質がパワー寄りなので、ダート向きに出ました。以前は1400m戦では終いが甘くなるところがありましたが、今回は垂れることなく頑張りました。目下の充実ぶりがうかがえます。

 とはいえ、もし次走、1600mのフェブラリーSに出走してくるとすれば、距離適性の面から重い印は打ちにくいところです。

・1/31 シルクロードS(GIII・中京・芝1200m)
 後方に控えたシヴァージが直線で大外から伸び、ライトオンキューをとらえて初の重賞制覇を成し遂げました。重馬場だった昨年春の高松宮記念で5着と健闘したように、時計勝負よりもパワー勝負に強いタイプ。2着ライトオンキューもそうしたタイプなので、良馬場発表とはいえ馬力を要するコンディションでした。

 シヴァージはアメリカ生まれの外国産馬。父ファーストサムライはストームキャット系で、現役時代にアメリカで2つの2歳G1を制覇し、種牡馬としても中堅級で手堅く成功を収めています。母インディアンベイは不出走ですが、2代母バイザバレルはダート8.5ハロンの米G2を勝っています。純然たるスプリント血統というわけではないので、1400m戦でも侮れません。

 京都競馬場の改修工事にともなう変則開催で、昨年の中京開催は通常よりも1開催少なく、その分を2021年の年明けに持ってきたわけですが、3、4週目が雨に祟られて馬場が傷み、時計が掛かっています。3月の高松宮記念もパワー型が台頭するかもしれません。シヴァージにとっては歓迎でしょう。

今週の血統注目馬は?


・2/6 早春S(3勝クラス・東京・芝2400m)
 登録馬の父のなかで東京芝2400mに強い種牡馬はルーラーシップ。連対率30.1%(73戦22連対)は2011年以降、当コースで産駒が20走以上した33頭の種牡馬のなかで第1位。

 当レースには同産駒のキタサンバルカンが登録しています。3歳春には青葉賞で4着となった実力馬。前走の中山戦は昇級戦だったこともあり9着と敗れましたが、クラス2戦目、得意コースに替わる今回は期待できます。

今週の血統Tips


 先週の土日、ディープインパクト産駒が9勝を挙げました。1月の最初の開催が終了した時点で、種牡馬ランキング第1位はロードカナロア、第2位がディープインパクト。1月は主力産駒がまだ稼働していませんし、小回りの中山コースが含まれるので、例年決して得意とはいえません。17年はキングカメハメハ、18年はステイゴールドに次ぐ第2位でした。

 前述のとおり今年は獲得賞金額で第2位でしたが、勝利数はさらに低く第4位。ロードカナロアだけでなくキズナ、ルーラーシップにも先着を許していました。開催が替わった途端9勝を挙げて勝利数部門でトップに立ち、賞金額でもロードカナロアに急接近。早ければ今週にも抜いてしまうかもしれません。

 注目すべきは9勝のうち6勝が東京芝であること。直線の長い芝コースはディープインパクトの決め手が最大限に活きる舞台です。今週も要注目でしょう。

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netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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