▲川崎記念を制したカジノフォンテンと張田昂騎手 (撮影:高橋華代子)
昨年末の東京大賞典、初のGI挑戦で2着に食い込んだカジノフォンテン。その鞍上は、張田京元騎手(現調教師)を父に持つ張田昂騎手(船橋、33歳)。
中央の一線級を相手に上々の結果にも思えますが、「騎手の差だった」と、勝ったオメガパフュームの主戦ミルコ・デムーロ騎手との違いに悔しさをにじませました。
それから1か月――。再戦の場となった川崎記念に、「自信を持って臨みました」と張田騎手。どんな準備をし、どんな作戦で挑んだのか。渾身の勝利をじっくり回顧します。
(取材・構成:高橋華代子)
東京大賞典、本気で勝てると思って臨みました
――人馬ともに重賞初勝利を飾った京成盃グランドマイラーズから振り返って頂きたいですが、カジノフォンテンの将来性をどんな風に感じていましたか?
張田 あの頃はまだ粗削りで、スピード任せのマイルの馬。マイル以上の距離を戦える馬に成長するとは思いませんでした。毎朝、調教に乗せて頂いているので、将来性を感じるというよりも、一戦一戦の成長を感じる方が大きかったです。
――どの辺に成長を感じますか?
張田 気性面はそんなに変わりませんが、スピードやスタミナ、パワーなど、全体的にパワーアップしています。元々が頭のいい馬なので、競走馬としての理解力もすごく出てきて、折り合いもつくようになって扱いやすくなっています。
――勝島王冠では、ノンコノユメとモジアナフレイバーというこの路線の南関東トップホースたちを抑えて勝利を飾り、その後の東京大賞典は9番人気で2着でした(優勝はオメガパフューム)。ご自身はどんな気持ちでしたか?
張田 一戦ごとに成長してくれていて、東京大賞典の時は状態も前走以上でした。本気で勝てると思って臨んだレースだったので、あの時はめちゃめちゃ悔しかったです。
▲オメガパフュームにわずかクビ差かなわず2着 (撮影:高橋正和)
――レース後の、『俺の根性が足りませんでした』というコメントは話題になりました。