高松宮記念で重要視したい調教適性は…
先週の阪神大賞典。パドックでのアリストテレスの様子を見ていると、少し焦れ込んでいるように映りました。レースでの走りはまさに折り合いが難しかったようで、いつものパフォーマンスを発揮できなかったのは間違いないと思います。
問題はその理由。競馬予想TV!で「最終追い切りをこれだけ動いたことがないだけに、これが良いとも悪いとも言えないけど、それは今回の結果が出てから」とコメントしました。本当にあれだけ動いたことが折り合いを欠いた要因だったのでしょうか。その判断については、次回の調教内容を見てから確定させていこうと思います。
さて、今週は高松宮記念。今週も各出走馬の調教内容を好走時と比較して吟味していく予定ですが、本命決定には「開催おすすめ調教適性」で記した内容を最重要視する予定。今週は潔く山を張ってしまえば、それでしっかり結果が出てくれるような気がします。
【日経賞/ワールドプレミア】
昨秋の2走は健闘はしているものの、馬券圏内には絡めない結果。これに対して、JCは長期休養明けだったから仕方ないという見方はできるでしょうが、有馬記念に対する解釈で今回の評価が変わってきそう。個人的には2019年有馬記念で3着していますが、当時には及ばない状態だったのではないかと思っています。
その根拠はCWでの追い切り。前走は1週前も最終追い切りもCWでしたが、これがいずれも単走でした。2019年有馬記念では2週前と1週前のCWでともに併せ馬を行い、いずれも先着。今回は2週前も1週前も併せ馬を行った点は評価できますが、2週前はユーキャンスマイルに遅れ。
まだ絶好調には及ばないでしょうが、調教の負荷としては決して悪くないといった程度でしょうか。最終追い切りのCWでの動きも悪くありません。
最終追い切りの動きは悪くなかったワールドプレミア(3月24日撮影)
【毎日杯/シャフリヤール】
入念に時間をかけて仕上げた前走。個人的には必勝態勢での出走だったと思っていますが、結果は賞金加算もできなかった3着。その後の路線をどう選択するかと思いましたが、やっぱり重賞挑戦ですか。うん、やっぱりそれくらい期待の大器だと思いますし、この中間の追い切りを見ても、高い評価をしたいところ。
1週前追い切りがCWで川田将雅騎手が跨りましたが、この動きが非常にスムーズ。VTRでご覧になった方はゴールしたところで映像が切れているので分からないと思いますが、あの後は楽々と前へ出ています。
私にはどのくらいの脚を使うことができるのか、そのあたりを確認するような追い切りだったのではないかと思っています。最終追い切りは前走同様、坂路で4F目最速ラップが踏めていますし、ここであらためて。
1週前川田騎手を背に追い切ったシャフリヤール(写真右、3月17日撮影)
【毎日杯/ルペルカーリア】
2歳9月にデビューするも4着に敗れて、その後はしばらく休養。年明けに未勝利を勝ちますが、この時の追い切りの動きは以前と全く違っていました。母シーザリオの仔たちが見せてきた長所、パワーが素晴らしく発揮された走りになっているだけに、単なる勝利というよりは、じっくりと時間をかけて正解だった勝利といった気がします。
この中間もそのパワーが目立っています。特に最終追い切りは軽くまとめてくるかと思いきや、CWでジュンブルースカイを追走する内容。道中のラップは速く、これは速い全体時計になるといった感じでしたが、4コーナーでは外を回ってくるんじゃないかというくらいの手応え。
それだけ動きに余裕があったわけですが、そんな状態ですから、最後は内から楽に並びかけてきます。時計は6F81.1〜5F66.3〜4F52.2〜3F38.9〜1F12.6秒。強力メンバー相手ですから、このくらい攻めた内容でどんなレースを見せてくれるか注目です。
動きに余裕があったルペルカーリア(写真奥、3月24日撮影)
【マーチS/アメリカンシード】
ダートに転戦してから3連勝。初重賞挑戦となりますが、引き続き、C.ルメール騎手も騎乗予定ということで人気を集めそうですし、netkeiba.comの予想オッズは単勝1.4倍。だったら、この馬以外から、と狙いたくなってしまいます。
実際、2週前のCWでの追い切りを見ると、雲行き怪しいかなという動き。それが1週前になって、かなり改善されて、最終追い切りでは安定に入ったという感じ。そもそも、気性的に難しさのある馬ですが、それをうまくコントロールして調教できていることが調子上昇の根底にあるのでしょう。
全体時計は遅くても、6F85.0〜5F67.7〜4F52.1〜3F38.1〜1F12.3秒とゴールへ向かって加速できており、この馬自身の調教内容から軽視する理由はあまりありません。
安定した追い切りを見せたアメリカンシード(3月24日撮影)
【高松宮記念/レシステンシア】
前走阪急杯は1週前追い切り、最終追い切りともに坂路でえげつないくらいの動き。その時計は2Fで23.2秒、23.4秒。しかもいずれも4F目最速ラップを踏んでおり、追い切りの内容だけ見れば、どうやったら負けるかなくらいのスピード。実際、素晴らしいスピードで押し切ったという内容だと思います。
今回は中3週。レース間隔が詰まることもあり、どんな調整になるか注目していました。1週前は坂路2F23.4秒。4F目最速ではなかったものの、やっぱり速い2F時計をマークしてきました。ただ、最終追い切りは4F53.8秒とかなり時計が遅くなってきました。4F目最速ラップを踏んでいるという意味では、ベストとも思える内容ですが、この全体時計をどう評価するかでしょう。
◆次走要注意
・3/20 矢作川特別【クリノキングボス】(15人/5着)
道中の雰囲気は抜群。あとは馬群をどうやって捌くかというところでしたが、スピードに乗ったところでは、すでに前は決着していました。ただ、中京ダート1800mのハンデ戦ならこのクラスでも通用するところを見せたと思います。
[メモ登録用コメント] [中京ダ18ハンデ]最終追い切り坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け
◆開催おすすめの調教適性
<中京芝1200m>
◎1週前追い切り以降に坂路馬場で4F目最速ラップ
○最終追い切りが坂路馬場で3F目12.9秒以下
ウマい馬券のコラムにも取り上げましたが、今年の中京芝1200mは◎と○の両方に該当した馬が勝ち続けています。先週まで8レースすべて、です。これは本当に凄い調教適性だと思います。
ちなみに◎は1週前追い切り以降とありますが、実際に勝った8頭はすべて最終追い切りで4F目最速ラップでした。
【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!