【ヴィクトリアマイル予想】絶対女王が古馬マイルGI完全制覇なるか
反撃を期す人馬にも注目
断然の人気は仕方がない。すでに安田記念、マイルCSを制しているグランアレグリアは、このレースを勝つと史上初の「古馬の芝マイルGI3競走」完全制覇となる。今回は牝馬同士でもありその可能性はきわめて高い。
相手の筆頭は、こちらも人気馬だがレシステンシア。マイルでは阪神JFを当時の快レコード1分32秒7で圧勝し、2走前の阪急杯1400mも日本レコードと差のない1分19秒2の完勝だった。同じように先行したいスピード型はいるが、イベリス、スマイルカナ、マルターズディオサなど、レシステンシアと競り合いたいとは鞍上も考えていないから、出方ひとつで、意外や自分のリズムで行ける可能性がある。もまれない18番枠はレース運びの選択肢が広がっただけで、むしろ有利と思える。
この2頭は評価を下げられないが、残る16頭は一長一短、大きな差はない。候補の1頭に入れたいのはダノンファンタジー(父ディープインパクト)。高速決着が予測される中、1600mには昨年のヴィクトリアマイル5着の1分31秒5(上がり33秒5)がある。アーモンドアイには離されたが、2-3着馬とは0秒2差だけ。ゴール寸前、まだ伸びていた。強烈に伸びて差し切った2019年のローズS1800m(阪神)は1分44秒4(上がり33秒1)の快時計だった。
ダノンファンタジーを候補に入れたいのは、先週の残念な落馬のあとの、藤岡佑介騎手の目の色を変えた反撃に注目したいという理由もあるが、2週後の日本ダービーに挑戦する3歳牝馬サトノレイナスと関連するところもある。
ダノンファンタジーと、サトノレイナスの父は、同じディープインパクト。母はともに2008年生まれのアルゼンチン産馬で、同国のG1 2勝馬。その父はともにアルゼンチンのチャンピオン種牡馬ノットフォーセール(祖父カロ)になる。
体型はちょっと異なり、ダノンファンタジーの方がマイラー体型ではあるが、2歳末に阪神JFを猛然と追い込んで連対したところは同じ。リファール「4×4」の配合形も同じ。さかのぼる元々のファミリーまで同じ7号族。ダノンファンタジーのレース内容は、成長力、こなせる距離の幅など、サトノレイナスの可能性を示唆してくれるかもしれない。
断然人気のグランアレグリアから入るので、レシステンシアは別として、そのほかは上位人気ではないダノンファンタジー、自在型マルターズディオサ、昨年2着サウンドキアラを妙味ある相手としたい。