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▲初夏の澄み渡った青空に、勝利した人馬の姿が美しく映えた (撮影:下野雄規)
2019年のラヴズオンリーユーに続く、自身2度目のオークス勝利。桜花賞馬ソダシが人気を集める中、ミルコ騎手は特別な思いを抱いてレースに挑みました。
レースの直前に、イタリアの友人が不慮の事故で急死。オークスの日はお葬式の日でもありました。友人のために、そして岡田繁幸さんのために…今だから明かせるミルコ騎手の胸の内に迫ります。
(取材・構成=森カオル)
※このインタビューは電話取材で行いました
勝利の予感「今日はこれまでと違うな」
──ユーバーレーベンでのオークス勝利、本当におめでとうございます。
ミルコ ありがとう。もう信じられないくらいうれしい!
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▲ミルコ騎手「もう信じられないくらいうれしい!」 (撮影:下野雄規)
──これで2012年から10年連続のGI勝利となりました。
ミルコ あ、そうなの!? うれしいなぁ。オークスは確か、GI40勝目じゃなかった?
──交流GIを入れると、ちょうど40勝目ですね。目指せ100勝!
ミルコ いや、目指せ200勝(笑)! オークスはね、馬を信じてました。勝たなくちゃ! っていう変なプレッシャーもなくて。
──それが逆によかったのでは?
ミルコ うん、そうかもしれない。距離も全然心配してなかったし、むしろ自信がありました。体が減り続けていたことは心配していたけど、今回はプラス8キロで。パドックで会った瞬間に、「状態よさそう!」って思った。
今まで乗ったなかで、間違いなく一番いい状態でした。あとは落ち着いて返し馬ができたら、今日はいい結果が出せると思ってましたね。
──フローラSの返し馬では、「潜るような格好をして怖かった」とおっしゃっていましたが、オークスの返し馬は……
ミルコ 「なんか悪いことするはず…」と思って、準備をしながらずっとビビッてたんだけど、何も悪いことしなかった(笑)。ものすごくおとなしくて、今日はこれまでと違うなと思いました。
──5枠9番という、ちょうど真ん中からのスタート。ゲートも決まりましたね。
ミルコ フローラSのスタートがまぁまぁよかったから、今回も出てくれると思ってた。ソダシもスタートが上手だから、もしかしたらソダシの後ろになるかもなぁと思ったり。
──そういうレースプランだったんですか?
ミルコ いや、これっていうプランを考えていたわけではないです。馬込みを怖がったり、気持ちが難しい馬だから、ゴチャゴチャした競馬にしないことが一番だと思ってた。
ソダシが前にいって、クリストフ(2着アカイトリノムスメ)も出していったから、クリストフの後ろにつけようと思ったんだけど、外の馬たちがけっこう内に入ってきて…。
──ああ、最初のコーナーですね。
ミルコ そうです。「このままじゃゴチャゴチャになる! ヤダヤダ!」と思って。そしたら後ろになっちゃった。これは後ろ過ぎだなぁと思って、ちょっと心配してましたね。
ただ、けっこういいペースで流れていたから、途中からは後ろでも悪くないかもと思ってた。向正面で準備を始めて、スムーズに走るためにちょっと外に出して。外目をひとりで走り出したら、馬がすごくリラックスしました。
──3コーナーでは、思い切って外に出しましたね。