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【マーメイドS予想】前走条件戦組が通用しやすい、牝馬のハンデGIII

  • 2021年06月15日(火) 12時00分

それでも大敗からの巻き返しは厳しい


 今週はハンデ重賞のマーメイドSが行われる。牝馬のGIIIというとただでさえ紛れが大きいイメージで、そこにハンデ差が加わるので前走条件戦組でも走れそうなイメージがある。実際どうなのかというと……最初に結論から言うと、これが走れるのである。

 レースによる傾向の違いは多少あるが、2011年以降に行われた牝馬限定のハンデGIIIについてみると、前走条件戦組が複勝率20.1%、前走オープン特別とリステッド組が複勝率19.3%、前走重賞組が複勝率18.9%で、互いにほとんど変わらない。むしろ前走条件戦組がやや高い。

 前走重賞組には手詰まり状態の馬や古い実績でハンデを背負わされている馬がいる一方、前走条件戦組は少なくとも自己条件では好走してきた馬が多く、かつ身の丈に合わないハンデを背負わされていないという有利さがある。一般論として「ハンデ戦では敢えて背負っている組を買え」と主張している筆者だが、牝馬のハンデGIIIだけはそうとも言えない面がある。

 もちろん、前走条件戦組ならなんでもいいというわけではない。負けてきた馬でもいいのかとか、年齢がいってからやっと勝ち上がった馬でもいいのかという面はある。

 まず前走2勝クラス組について言うとさすがに勝ってこないと厳しい。前走1着馬が[3-6-1-20]に対して負けてきた馬は[0-0-0-9]。勝ってきた馬も前走1〜3番人気は[2-5-1-6]に対し4番人気以下で勝ってきた馬は[1-4-0-14]。2勝クラスでは明らかに力量上位だったというニュアンスが欲しい。

 前走3勝クラス組は前走1〜3着組が[7-6-6-53]の複勝率26.4%・複回収率111%に対し、前走4着以下組は[2-3-1-56]の複勝率9.7%で複回収率62%。わざわざ後者を掘らないでも、前者から狙う馬を見つけたほうが早い。

 前走3勝クラス1〜3着馬について、夏競馬・秋競馬に限定して年齢別成績を見ると、3〜4歳馬が複勝率40.0%に対して5歳馬は5.3%、6歳馬は20.0%。対象期間中に降級が無くなっているので事情が異なる面はあるが、やはり若い馬のほうが「実は重賞級の馬だった」という可能性を秘めている確率が高いものと思われる。

 今年のマーメイドS、前走2勝クラス勝ち馬は3頭で、前走3番人気以内だったのはうち2頭。前走3勝クラス1〜3着馬は3頭で、いずれも4歳。登録時点で候補は5頭いることになるが、フルゲート16頭に登録23頭なので最終的にはもう少し減るはず。減った中から重視する馬を決めたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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