▲「尊敬する大先輩」ミシェル騎手にとってルメール騎手の存在とは? (撮影:高橋正和)
5月16日の東京9RでJRA通算1400勝を達成したクリストフ・ルメール騎手。武豊騎手の記録を上回る、史上最速での達成となりました。今週末の宝塚記念ではクロノジェネシスの騎乗を控え、さらなる注目を集めています。
そこで今回、ルメール騎手にゆかりのある競馬関係者3名が登場し、それぞれのテーマからその魅力を証言。
最初に登場するのはフランス競馬の後輩、ミカエル・ミシェル騎手。母国では今、ルメール騎手はどういう存在なのでしょうか?
(取材・構成=高橋正和、編集部)
海外で活躍したいジョッキーにとって良いお手本
――JRA通算1400勝を達成し、異国でトップ騎手に輝くルメール騎手は、同じフランス人のミシェル騎手にとってどういう存在でしょうか?
ミシェル もちろんすごく尊敬する大先輩です。彼はフランスで非常に有名な騎手でしたし、今は有名な日本のジョッキーになっています。
海外の国においてトップレベルの仕事をし続けるということは、とても困難なことです。言葉、食事、習慣などすべてが違う中でですから、いかに自分が強くいられるかだと思います。
――フランス競馬界において、ルメール騎手とはどんな存在ですか?
ミシェル やはり皆さんに尊敬されています。彼は大変優秀な騎手として知られていますし、沢山の有名なレースを勝っています。
海外に出て活躍したいと考えている多くのジョッキーにとって、彼は一人の良いお手本になっていると思います。
フランスの多くの騎手が、JRAのジョッキーになれたらいいだろうなと思っていますが、同時にそれに伴う困難についても知っています。
――ルメール騎手とのエピソードなどあったら聞かせてください。
ミシェル クリストフが以前、私に日本の競馬について語ってくれたことがありました。「他のどこにもない素晴らしい競馬」だと。「でも、百聞は一見にしかずだけどね」とも。
その後、私が初めて日本の競馬に騎乗したのは2019年夏の札幌(WASJシリーズ参戦)でしたが、彼の言う意味がわかりました。競馬場の沢山のお客様の熱気と歓声! 本当に圧倒されました。
また、その時に彼の家族や友人たちに誘われて夕食をご一緒しました。お寿司屋さんだったのですが、フランスのお寿司屋さんと違い本格的で、今まで経験したことのないお寿司でびっくりしました。でも、クリストフは本物の日本人? と思うくらい美味しそうに食べてたんですよ!
――ルメール騎手へお祝いのメッセージをお願いします。
ミシェル この度はおめでとうございます! クリストフがこれからもたくさんの勝ち星を上げ、たくさんの記録を打ち立てていくよう、祈っています。また、日本で一緒に競馬ができたらと思っています。
――最後に、ミシェル騎手の近況も聞かせてください。
ミシェル 私は今年もとても忙しく、毎日競馬に騎乗しています。また、いろんな国の皆さまに呼ばれて騎乗しています。
最近ではギリシャやドイツで勝ち星を挙げることができました。忙しいけれど幸せです。こうしてどこへ行っても騎乗ができて勝てる騎手になりたいと思ってきたからです。
競馬の合間は、JRAの騎手免許試験のための勉強をしています。日本語も法律もとても難しいですが、日本が恋しいですし、JRAの騎手になるのが夢ですので、ベストを尽くして頑張ります!
▲ドイツでも勝ち星を挙げたミシェル騎手 (提供:Rennclub Mulheim)
▲「JRAの騎手になるためにベストを尽くします!」 (撮影:高橋正和)
(文中敬称略、明日は四位調教師が登場します)