世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、夏期限定で“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。
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日本におけるフランス産牝馬の活躍
8月14日(土)〜16日(月)にドーヴィルで開催される、アルカナ8月1歳市場に355頭の精鋭たちが上場を予定しています。そのうち185頭は、フランスをはじめとするヨーロッパ全域のトップブリーダーが、血統・馬体の両面で自信をもってお届けする牝馬たちです。
近年、日本におけるフランス産牝馬は、レースだけでなく、繁殖としても大変素晴らしい実績を残しています。代表的な牝馬は、日本のチャンピオンホース・リスグラシューの母リリサイドです。ドーヴィルから数キロ離れた場所にあるトルジェヴィル牧場で生産されたリリサイドは、2008年アルカナ・オクトーバー1歳市場で、マーク・アントワ・バーググラフト氏によって購買されました。
吉田照哉氏が所有する名牝スタセリタは、G1ディアヌ賞やG1ヴェルメイユ賞など、フランスやアメリカでG1・6勝をあげました。産駒には、オークスなどGI・2勝をあげたソウルスターリングがいて、社台ファームを代表する繁殖牝馬の1頭です。
仏1000ギニーとディアヌ賞を制したラクレソニエールの母アブソリュートレディは、アルカナ・オクトーバー1歳市場で購買された後、フェブラリー・ミックスセールに再び上場されました。日本に導入後誕生したグラヴィルは、デビュー2戦目で初勝利をあげています。
アヴニールセルタンは、アルカナ・オクトーバー1歳市場でクーロンスから上場され、ジャン・クロード・ルジェ調教師に購買されました。同調教師の管理の下、ディアヌ賞や仏1000ギニー優勝の成績をひっさげ、日本に繁殖牝馬として繋養されました。その後誕生したのが、重賞勝ち馬デゼルや、2勝をあげているオヌールです。
また、アルカナが主催する12月の繁殖セールからは、仏国トップクラスのファミリー出身の牝馬が日本へ渡り、後に誕生した産駒から、続々と活躍馬が輩出されています。GI天皇賞(春)連覇を含む3つのGIを制しているフィエールマンの母リュヌドールは、自身もG1勝ち馬の実績があり、2010年の繁殖セールで、メゼレイ牧場から上場され、吉田勝己氏が購買しました。
また、GINHKマイルカップを含むGI・3勝をあげたアドマイヤマーズの母ヴィアメディチは、アルカナ繁殖セールでサンペール牧場から上場され、ノーザンファーム(代理人はナーヴィック・インターナショナル)が購買した馬なのです。