8番人気フチサンメルチャンを駆り、久々の勝利を挙げた小牧騎手。ゴールした瞬間、そこに“乗り続ける意味”を感じたとのこと。小牧騎手にとってもファンにとっても、大きな1勝となりました。今週の『太論』では、フチサンメルチャンでの勝利を振り返るとともに、サワーホマレーの近況にも言及。ユーザー質問と併せてお楽しみください!(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
こういう“1勝”があるから、乗り続けていられるんやなぁ
──フチサンメルチャンで久々の勝利(9月5日・小倉8R・3歳上1勝クラス・8番人気1着)。おめでとうございます!
小牧 ありがとう。久しぶりに勝てて、ホントによかった。なんせ強かったわ。「どしたん?」ていうくらい強かった(笑)。
──「どしたん?」だったんですね(笑)。メルチャンにとって、うれしい中央初勝利となったわけですが、勝因はどう分析されていますか?
小牧 外枠からスタートが決まったことが大きいね。あと、飛ばしていく馬がいなかったから、持ったまま行けたわ。
──スタート直前に、隣の馬(11番ジュランド)が除外になりました。そのぶん、枠がひとつ内側に詰まりましたが、その影響は?
小牧 何も気にしていなかったけど、ひとつ詰まったぶん、真横に1番人気(ムジック)の馬がきたから、結果的にすごく楽になったね。僕の馬はスタートがよかったこともあって、ハナに行った1番人気の馬を見ながら行けたから。そういうのも味方してくれたね。
──確かに、人気馬を見ながらといった絶好のポジションでした。
小牧 うん。途中までは「このまま逃げ切られてしまうかな…」と思ってたんやけどね。それでも2着はあるだろうと思いながら乗ってたよ。
──逃げ切られるどころか、きっちり捕まえて、最後は差を広げましたからね。
小牧 そうやね。何もかもがうまくいったような感じやね。前回は乗っていなかったけど、たぶん連闘したのもよかったんやと思う。
──2走前に2着したとき(7月10日・小倉12R・3歳上1勝クラス・12番人気2着)「これくらいはやれると思っていた」と。小牧さんが感じるこの馬の強みというのは?
小牧 行き切ったらダメなタイプやけど、この前みたいな展開になれば、ひと脚が使える。理想的なかたちやったわ。僕自身もね、本当にうれしかった。こういう“1勝”があるから、乗り続けていられるんやなぁって改めて思ったわ。周りのみんなも喜んでくれてね。服部先生も喜んでくれていると思う。
──さて今週ですが、サワーホマレーが調教でいい時計を出してますね。
小牧 サワーホマレーは今週使う予定です。調教はよかったよ。終い11秒台が出たからね。今度はもうちょっとジックリ乗っていきますわ。この前は結果的に仕掛けが早すぎた。反省点を踏まえて、今度こそ頑張ります。
──では、ユーザーからの質問をふたつほど。「ムラ駆けする馬というのは、やはりその日の気持ちの問題が大きいのでしょうか。そういう馬の場合、今日は走りそうもないなとか、今日は頑張ってくれそうだなとか、ジョッキーは事前にわかるものですか?」
小牧 いやぁ、気持ちというより展開やね。そういう馬は、どうしても展開に左右されるタイプが多いから。フチサンメルチャンにしても、やっぱりスタートが決まって、ペース的にも展開がハマったよね。あれで揉まれる競馬になっていたら、どういう結果になっていたかわからんでしょう。
──揉まれるとダメというのは、根本的には気持ちや性格に由来するのかもしれませんが、その日に走るか走らないかとなると、その日の気分というより展開次第ということですね。
小牧 そうやね。展開が大きいと思う。
──続いては「この夏、ダイエットを頑張っていたら、手足がつるようになりました。その現象について、友人に脱水状態を指摘され、それからは意識的に水分を摂るようにしています。そこでふと思ったのですが、日常的にダイエット&汗取りをしているジョッキーのみなさんは、レース中に手足がつったりすることはないのでしょうか?何か対策していることがあれば教えてください」。
小牧 不思議とレース中につることはないけど、汗取りしたあととか、よく手の指がつったりするよ。水分を抜き過ぎたら、どうしてもつるからね。それはみんなあることです。
──でも、対策って難しいですよね。せっかく汗取りをして体重を落としたのに、水分を摂ってしまったら元に戻ってしまう。
小牧 汗取りのあとに栄養ドリンクとかを飲むんやけど、そのぶんを計算して落としたりするけどね。
──栄養ドリンクのぶんだけ、余分に落とすと。
小牧 そう。毎週のことやからね、そのあたりはちゃんと計算してます。まぁそれでも指はつるけどね(笑)。