昨年はサリオスが3馬身差をつけ圧勝(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
今週開幕する東京開催は夏を挟み、前開催から最も長く間隔が取れる開催。中間には芝の張り替えも行われ、1年を通して最も良好な路盤の状態での開催だ。
特に近年の東京芝は絶好の路盤の状態がキープされやすくなってきており、今春もダービーではレコードを更新。馬場管理技術が向上してグリップが利いていて、尚且つクッション性の高い路盤が作られるためだ。
硬い状態に造られた路盤では開催が進んだり、雨の影響などにより傷みが進みやすいが、近年の東京芝や最近では阪神の芝などは速い時計が出ていても路盤は硬いわけではない。
古い馬場格言であるカタい馬場だから時計が出るのではなく「クッション性が良い」ことによって速い時計が出る。この馬場の造りの場合は、直線で速い上がりも出しやすい。古い馬券格言の高速馬場は先行有利も間違っているわけだ(新時代の馬場の詳細は単行本「馬場を読んで馬券で勝つ方法」を見てほしい)。
2019年以降、Aコース開幕週の東京芝1800m(新馬戦を除く)は11レース行われ、上がり1位が8勝、2位が2勝、4位が1勝。1番人気は7勝、2着3回、3着1回と全てのレースで3着内に好走しており、6番人気以下で3着内に好走した馬は1頭しかいない。走りやすい馬場コンディションにより、位置取りやコース取りを問わず、長い直線でしっかり伸びる必要がある。
今週は天気予報も比較的良好。今年も例年通りの馬場コンディション、状況が想定される。例年通り、末脚のスピードに優れている馬が走りやすい。末脚上位の馬は人気になりやすいため、順当な決着も多いだろう。
シュネルマイスターはNHKマイルCが3歳馬相手に辛勝ながら、古馬の強豪が揃っていた前走安田記念で僅差の3着。着順は落としたものの、自身のパフォーマンスはアップ。成長を遂げている。
パフォーマンスが上がり、成長を遂げているシュネルマイスター(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
NHKマイルCはトラックバイアス「外有利・差し有利」。安田記念はトラックバイアス「外有利・ 」。どちらのレースも外枠で、位置取り含め、優位に運べたのは共通しているが、この2レースは道中のペースが大きく異なる。600mの通過タイムはNHKマイルCが33.7秒、安田記念が34.9秒。スローペースだった安田記念でパフォーマンスを上げたことからも、本質的には緩い流れが得意な馬。
今回は距離が延び、前走よりもさらにペースが緩む可能性は高い。ここ2戦で示したように、末脚がしっかりしており、直線の長いコースは向いている。秋の東京芝1800mは最適条件。今まで以上のパフォーマンスを発揮する。
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